正月三が日を過ぎて、昔ながらの古本屋で、その主との会話
今日は2〜3ヶ月に一度のペースで立ち寄る古書店へ。逡巡し、上田三四二『この世この生 西行 良寛 明恵 道元』をカウンターへ。
店の主人は年輩女性ここ四半世紀雰囲気の変わらぬ神秘的な方。「100円です」と言って
「この西行は…」
沈黙
「上田の西行は評判が良くない」
虚をつかれる。
そして私は「では西行は誰が良いですか」
主人「色んな人がいるわね」
奥のページを主人が明けると《売らない。私用》の走り書き
「あら私のだった」
私「いいんですか?」
主人「昔書いたの。いいわ」「上田の西行評は評判が良くない。だけど4人の歌人がいるし、入門としては」
私「西行の出家前の名、侍の時は?」
主人「西行はさとうよしきよ」
私「出家して近畿の山々を放浪して歌を詠んだんですよね」
主人「あれは新書でね」
私「太宰は源実朝を書いた」
主人「源氏は悲惨ね」
私「平家がしぶといですね」
主人「源氏は一時は栄えたけど後は殺し合って…」「まあしかし、上田のは入門には、いいわ。あとは入ってから詳しく読めばいいわ。図書館にもたくさんある西行は」
私「いや詳しく勉強する気は無いんですが…僕は詩を書いていまして」
主人「発表してるの?」
私「同人誌に書いてましたが今はブログに」
主人「まあ」
私「で、詩を書いてるとたまに気になるんです和歌が」
主人「詩も難しいでしょう」
私「ですね」
主人「上田は歌人なのね」
私「作者は実作者の思い入れから作品を読んでしまいがちです」
主人「まあでも上田から入ったらいいわ、4人も論じてるし、うちの誰かを好きになって掘り下げればいいのよ」
私「ありがとうございます」