細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】昼下がりの預言者より

終わることができない空の

大空がごまかされて

川に向かって光が

そう光が匂うよ

草むらに草むらに道が途切れる

犬の息は短いが

犬は優しく長く生きるかもしれない

大あくびをした老人は

もう短いかもしれない

 

この鉄橋が街を切り川を渡る

優しい風景なのかもしれないが

鉄橋は残酷に音を並べる

ムラムラした石の積まれた堤を

疲れた青年が歩いている

 

人はめいめいに散歩したり

愛や昼ごはんのメニューを語っている

しかし

巨大な空虚が

浮かび上がり

みるみる空に渦巻きをつくる

 

破局のあとにも

さらに破局は来るし

だからあなた方は

愛や夢を今のうちに語っておかなければ

必ず悔やむだろう

 

預言する者は続ける

君の愛や些細な心の揺れは

巨大な物理法則としての

この惑星と

比較にならないほど小さく

あってなきがものだ

 

しかしあってなきがごときものを

その小ささのまま

肯定することは

充分に大きい

君は毎瞬間の輝きを

惑星に等しい長さと重さと

大きさで

経験し苦しむ

 

だから破局は怖くない

怖くないことを超えて

君は変化し

生きることができる