細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】わからない世界の神話

生まれてからずっと怖いです

ザワザワした世界で僕はノケモノです

ノケモノにはわからない言葉で

誰もが愛し合い、喧嘩して

また仲直りしています

 

僕はそのような世界に入れないのです

だから僕は

はじめから嫌われていると思うことに

しました

どうせ嫌われていると決めつけたら

傷は少ないからです

 

しかし僕を愛している人の姿が

見えなくなります

そして僕の参加できない世界で

喜びや悲しみの歌が歌われています

それぞれ世界でひとつだけの歌を

歌い

あなたが好きとか君が嫌いとか

言いあっています

 

僕はしかし

僕が一番わからないのです

あなたは僕に何を見ていますか

僕のことを教えてください

 

僕はまたその言葉を理屈で

理解しようとして

間違うでしょう

 

そうして

あなたとの距離が離れていくなら

恐ろしいのです

 

それでも

僕はなぜ?なぜ?

と理由を求めます

この世界には理由なんてないのに

 

だから僕はこの空間を

めくりたいのです

 

そこでは

誰もがすでに

ノケモノです

親は親ではなく

子は子ではなく

ひとはただ

裸で風を感じているのです

 

僕とあなたは冷たい風そのものに

なります

ぶつかり合い

絡み合い

雨や雪を降らすのです

寒い国で

何もかも

誰もが

放射能を辛抱せねば

と言いました

 

辛抱したくちびるは固く結ばれ

目は凝視していました

 

僕は疲れた

わからないのは嫌だ

わからないなら

この世から生まれる前に戻りたいと

はじめて泣きました

 

僕の母ちゃんも父ちゃんも

僕に手を差し伸べられなくなりました

 

僕は川になり

海になり

全ての汚れを知ろうとしました

汚れれば

汚れるほど

汚れる前のことを

思い出しているあなたの姿を

見ようとしました

 

ここはどこだよう

雲がみえたよ

 

光が差すよ

虫が飛んでいるね

どこまでもついてきてほしいよ

ひとりはこわいよう

はじめからひとりだよう

 

ひとりだから

疲れて飛べなくなるんだよ

ひとりだから

ぶつかりたいんだよ

ぶつかるときに

手をつなぎたいよ

木々が滅びに向かって揺れているよう

 

牛や馬が遠くの星に連れて行かれるよう