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細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】明るい夜

顔を見ようとして私は

毎日初めて他人の顔を見るような

ぞくぞくした気分に襲われている

どうしてこんなに落ち着かないのだろうと

思う

 

こんなにも近いものが遠い

道のそばにはたくさんの野草が生い茂る

ここは町ではなかったかと思う ここに

町があるのに

 

冷たい裏通りのアスファルト 夏の夜

僕はいつも落ち着かない

こんなに大きくなって こんなにずうずうしくなって

こんなにすり切れた感覚の荒野で

3歳児のようなはにかみを噛みしめている

 

人間の揺らめきをおもう

人間は同じ姿をしていない

僕がどうしようもなく定まらない

君が平気な顔をしても

みんなが楽しそうな笑い顔でも

僕が定まらない

帽子を堅くかぶるけれど落ち着かない

 

夜空の下で俯いている

君もあの人も向こうの窓も開いている

夜空の下で俯いている

それをごまかそうとして早口でさえずっている

 

気味が悪い嫌な感じ

自分の中に引き戻されそうな

そんな時に

君の声が届くことがある

それを懐かしいと思いだす

現在の話なのに

私の失われたはずの平野を思いだすから

懐かしいんだろう

ここに生まれたフォークロア

 

あまり意味のない夜

新鮮な夜

壊れてしまった思い出

泣けない老人たち

雨の予報にもかかわらず

暗くない空に

星がいくつか瞬いている

ここに空があることが

僕らの世界の罪深さを隠す

 

どうして 

どうして