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細々と彫りつける

Concering poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】あなたは傷つけられないように損なわれないように、真実を述べる権利を守るべきである

理念の言葉は、生まれたてのヒナのように弱い

 

そのヒナを手のひらの中でかばいながら私は歩き出す

梅雨の空は夏の無限の手前で、したたる無力にたちこめている

あじさいは目と手と、その向こう側で

かがやきを押し殺して香ばしい

なんとあなた方は大切なことを知らないのか

切り裂かれて

この世界をバランスしているものがないなら

ひとりで、正しいと思われることを

言わなければならぬ

正しさは切り立っていない

正しさが切り立っていると思うのは

正義の浅はかな理解である

 

正しさは、胸の血のようにあたたかく

あなたと包み合う夜の夢のように

くすぐったいかもしれない

 

人は深く傷つく

傷からしか学べない

傷は選べないし

選べないのだから真実である

 

だからといって、他者に傷つけられたくないということは

何万トンもの重みと

たった一つのヒナを差し替えても

大きな声でいわなければならないことだ

 

あなたに傷つけられたくないという心理は優先されるべきで

それは宇宙に最初に降り立った光線のように

一回的で永遠なのだ

その光がまばゆく

私たちの胸の中の闇は深い

 

もし正しさを曲げて

生きられるというならそれは

甘い

正しさが亡くなった部分から

人は血液を失うのであり

その肉は容易に切り取られ

市場で売られることになるのだから

 

だからあなたよ

あなたの小さなヒナを守り給え

何人の人の偽りの愛と引き換えに

ひ弱な正しさを守り給え

 

夜はどんどん大きくなっていく

私たちはささやかでしかない

あなたという時

私は真理を胸に抱いて

すくんでいる誰しも

を思い描いている

 

不安な夜の駅の眠いあなたにも

明るい停車場の静かなあなたにも

楽器を持って笑っている

あなたにも

胸の中のあたたかい真実の血液が

冷たい世界の裏で

暗い喜びのように私たちを

生かしている

 

侮る勿れ!