細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

エマヌエラ・アンドレオリ/ウラジーミル・チェルトコフ監督作品『サクリファイス 』

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昨日視聴。一部YouTubeに流出したのをみたことがあるが、全部は初。チェルノブイリ事故処理作業者=リクビダートルの実話インタビュー。
本人と家族の証言。

ロボットは放射線で故障するため、爆発後の事故処理に、人間が投入された。彼らは、粗末なマスク、手作りの防護服で、放射能汚染された現場に、事故から人々を守るという名目で投入された。その数、100万人。

爆発して散らばった黒鉛や燃料破片を手づかみで処理を命ぜられ、数分以内に爆発して穴が空いた原子炉に黒煙や燃料破片を投げ込んだ。あるいは、汚染された地域を除染した。
粗末な装備で、強く汚染された現場に入り、大量に被ばくした。
被ばく線量は改竄されまともな手当もなく、表彰状だけで国からは見捨てられた。

医師でさえ見たことがない、慢性の謎の病気、突然左手、左足が麻痺、ついには仕事中に意識を失って解雇される男性や、身体中に無数の病気を抱え、倒れて、障害者になり、最後はまさに肉体崩壊と呼ばれる病気で亡くなる。
あるいは突然死。
映画に登場する妻によると、子供達も病気がちである。
チェルノブイリ事故現場の石棺内には無数のウラン燃料片が埋まっていて、湿度が上がったり、石棺が劣化して、再反応や周辺への汚染が拡大しないよう監視が続けられている。
悲惨な物語