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細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

災害を憲法改正のだしにするな!-災害支援に詳しい弁護士、憲法学者、被災者が首をひねる自民党政権の憲法改正

滝上明弁護士の話です。現憲法の人権すらふみにじられた原発事故、震災でした。

全文読んでください。

憲法改正は震災対応の迅速化とは何の関係もありません。

被災地から考える(6完)被災地で活動する滝上明弁護士

 東日本大震災東京電力福島第1原発事故に見舞われた被災者は、個人の尊重と幸福追求権、居住移転の自由、生存権など憲法に関わる数多くの問題に直面している。釜石市を拠点に、災害弱者らの権利擁護に奔走してきた滝上明弁護士(44)に憲法を巡る現場の状況を聞いた。
(聞き手は報道部・畠山嵩)

生存権守られず>

 

-震災から5年2ヵ月。今も避難生活を送る被災者が約16万5000人もいます。
 「仮設住宅で暮らす高齢者の多くが『ここで死にたくない』と悲痛な叫び声を上げている。孤独死も解決できていない。仮設は夏は暑く冬は寒い。長期間住む場所ではなく、あくまで仮の住まい。最低限の暮らしが守られず、生存権を保障していないのは明らかだ。人権の危機が続いている」
 -仮設の被災者への聞き取りで見えてきたものは。
 「住宅の二重ローンに悩む人がかなりいた。2011年8月に個人債務者の私的整理に関するガイドラインが施行され、推進しようと考えた。被災地全体で1万件を見込んだが、金融機関の周知が不足し、実際の申し込みは1割強にとどまった」
 「二重ローンに耐えられず、自宅再建を断念する被災者も多い。住宅ローンだけが残り、経済活動の自由や財産権が損なわれる。既存の法制度が負担を被災者のみに背負わせ過ぎているためだ」
 -原発事故でも居住の自由が危ぶまれています。
 「居住移転の自由の確保は復興への第一歩。それすらできない人が山のようにいる。場所によっては先祖伝来の土地を全て失った人も。土地は歴史そのもの。被災者は歴史を喪失したと言える」

 <権限移し対応を>

 -緊急事態条項の創設が議論を呼んでいます。
 「既存の法律すら生かしきれないのに、災害のために憲法を変える必要があるのか。災害を利用しているだけ。国はお金や知恵で被災地を支援すべきだ。首長ら現場の責任者に権限を分散させ、現場即応型で対応した方がうまくいく」
 -熊本地震でも約1万5000人が避難生活を強いられ、再び憲法の理念が問われる事態になっています。
 「東北の被災地でもそうだが、障害者や経済力のない高齢者ほど権利の危機にさらされやすい。今後、一気に被災者間の復興格差が広がる可能性がある」
 「震災後、弁護士の間で災害は人権侵害に直結するとの認識が急速に広がった。一般には、災害=人権問題という意識は低い。災害は人権侵害を起こす端緒になりやすい。弱者ほど権利保護が必要という観点を忘れず、社会全体で災害に対応して次に備えるべきだ」

www.kahoku.co.jp

 

一方、菅義偉官房長官は午後、大災害などの際に国に強い権限を与える緊急事態条項について記者会見でこう述べた。「今回のような緊急時に国家、そして国民自らがどんな役割を果たすべきかを憲法に位置づけることは、極めて重く、大切な課題だと思う」

 翌16日の午前1時25分。益城町のアパート前に車を止め、運転席で居眠りしていた淋さんは「ドーン」という地鳴りを聞いた。本震でアパートは倒壊。夢中でアクセルを踏み、その場を離れた。

 住んでいた1階は押し潰された。「中にいたら死んでいた」と淋さんは言う。災害時に国が強権を振るう必要性は「現場に近い市町村の方が判断できる」とのみ込めない表情だった。

    ◇

 安倍政権を批判する憲法学者の一人、小林節慶応大名誉教授は官房長官発言に接し、5年前の一本の電話を思い出した。2011年3月11日の東日本大震災直後、電話の主は開口一番、「やっと憲法改正の入り口が見えましたね」と言った。

 相手は、自民党の重鎮だった中山太郎外相衆院憲法調査会長を務め、第1次安倍政権国民投票法制定に尽力した。現在91歳で震災時すでに政界を退いていたが、小林氏に「(震災が起きた)今なら国民や野党から緊急事態条項への理解を得られる」と言った。小林氏も改憲論者として自民党の勉強会で講師を務め、中山氏と懇意にしていた。小林氏はその後、自民党批判に転じた。

 「危機への対応は憲法ではなく法律で準備すべきだと分かった。私は権力というものに楽天的すぎた」

 

   ◇

 熊本地震の余震が続く4月26日、ジャーナリストの桜井よしこ氏が東京都内で記者会見した。「熊本県を責めるわけではないが、緊急事態条項があれば国が前面に出て対処することができたであろうと思われます」

 その4日後、東日本大震災で支援にあたった弁護士が、都内の日弁連の会合でマイクを握った。「議論すべきことは山ほどあるのに、突然、憲法の話を持ち出す人がいる。災害を『だし』にしないでほしい」

http://mainichi.jp/articles/20160503/ddn/041/040/009000c

 

 

本当に被災者や憲法学者、災害支援に詳しい人々に聞いて憲法改正の是非を政権は考えているのか疑問でなりません。

 

憲法基本的人権、国家の救済義務は原発で被害にあった人々の賠償請求の法源です。

最後に原発避難者森松明希子さんの言葉を引用します。

森松 そうです。できれば、放射性物質の検出された水を子どもに飲ませたなんてことは、誰にも言いたくなかったし、実際、震災後の2年間は、誰にも言えませんでした。
 だけど、地震大国の日本には、54基もの原発があって、今回の事故は、たまたま福島第一原発だっただけです。日本中の人が、明日は我が身なんです。
 それなのに、原発事故はどんどん社会から忘れられ、風化が進んでいます。それどころか、原発再稼働の話も動きだしている。今回の訴訟では、事故を経験した大人の責任として、原発事故の真実を訴えたいです。そして、社会に問いかけたい。自分のこととして考えた時、本当にこれでいいと思えますか?と。
 人の命や健康よりも守られるべき大切なものはないのです。原発事故後、郡山に留まっていても、大阪に避難しても、ずっと苦しみが続いた生活の中で確信したことです。人の命や健康が守られないのなら、それは基本的人権の侵害に他なりません。その意味で、私は今回の訴訟を、基本的人権は「侵すことのできない永久の権利」と定めている憲法に基づいた、人権救済訴訟だと考えています。
 被災者でなくても、原発事故後を生き抜く全ての人には、放射線被ばくから免れ健康を享受する権利が、どんな人にも等しく認められる社会をつくる責任があるはずです。
 原発事故の真実から目をそらさず、この〝人権救済訴訟〟のゆくえを、どうか自分のこととして見守って下さい。

www.cataloghouse.co.jp

むろん日本国憲法には敗戦とその後の矛盾を刻印されていますが、憲法に規定する人権や立憲主義はどうしても変えてはならないものです。

現政権は変えやすいところで変えてその後本格的に九条改正を目指しているのは自民党改憲案の「国防軍」規定から明らかです。天皇国家元首になってしまいます。なんともあの戦争の繰り返しの道を行くようではないですか。

 

今度の選挙はその意味で政権の暴走を食い止めなければならないと感じますが。

戦後最大の危機はひたひたと忍び足で訪れようとしています。