乙武さんや今井さんが自民党からの出馬を決意したやるせない状況についてきちんと考えたい
冷静に考えてほしい。
自民党から出馬することには批判がある。
また彼は不倫をした。これもほめられた話ではない。ただ、これは彼の夫人を傷つけた行為なので、まずは夫婦間で解決すべきこと。立候補予定者としては信用に欠ける。
しかし、だからと言って身体障害をあげつらわれたくないはずだ。
また差別をして、されて気分が晴れるだろうか。
違う。差別された者は傷つき、たくさんの人間が涙を流す。
また例えば橋下前市長の言動や政治を批判する際に、部落出身者であることをあげつらう言動があった。それはよくない。橋下前市長への批判としての力すら削がれた。 乙武氏や橋下氏を差別することで、乙武氏や橋下氏への批判は、彼らの支持者に感心されず、乙武氏や橋下氏の防御を強めることにさえなる。 そのように考えてさえ、これは不毛きわまりない。自民党や橋下は我々に政治的暴力を振るっているという声はある。確かにそうだろう。
しかしそれに対して差別をすればよい、なんでも言ってやれはよいというのは、核武装に核武装で対抗みたいなふうの愚かさを感じるのは私だけであろうか。
むしろ、なぜ障害当事者である乙武氏や障害のある子どもの親である今井氏は自民党からの出馬を決意したのかと問いを変換できないか。
それは弱者を受け入れられない私たちの社会の底の浅さ、弱者の側に立つ人ですら、差別者へ同化していくという私たちの社会の底なし感を表しているようにみえる
乙武氏や今井氏だけではない。私たちは踏みとどまることができなくなっている。
私たちの中で地滑りが起きている。そんな中で憲法改正を阻止しうるか、不平等で暴力的な社会を変革しうるか。
私たちに突きつけられたものは大きい。