細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【パブコメ】下水道事業民営化!?「大阪市下水道事業経営形態見直し基本方針(案)」について書きました

大阪市下水道事業経営形態見直し基本方針(案) 

計画等の概要
 大阪市建設局では、このたび、「大阪市下水道事業経営形態見直し基本方針(案)」を策定しました。
 この基本方針(案)について、平成27年3月26日(木曜日)から平成27年4月24日(金曜日)まで、多くの市民の皆様から広く意見をいただくため、パブリック・コメントを実施します。

 この基本方針(案)では、本市下水道事業は最終的に公共施設等運営権制度(混合型)の導入をめざすこととしています。
 運営権制度の導入にあたっては整理すべき課題があり、課題の整理を図りつつ、早期の経営の効率化を図るため、まずは施設の運転管理を担う新組織を設立し、上下分離方式で新組織による下水道施設の運転維持管理の包括委託を開始していきます。
 民間の経営手法の導入によるコスト縮減や収益性の向上を図るとともに、本市の技術・ノウハウを活かして国内外へ事業展開するなどの取り組みを進めていきます。

 なお、このパブリック・コメントでいただいたご意見の要旨と本市の考え方については、受付期間終了後に取りまとめ、後日お知らせいたします。 
http://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/kensetsu/0000303147.html


今日が締め切り日だったので、5時までに提出しました。


p43「しかし、限られた職員数では市町村ニーズに十分に応えきれないほか、一部で民間企業と競合する業務分野もあり、同センターの独自性を活かすとともに民間企業との連携による事業展開が必要である。」とあるが民間との競合件数がグラフ上から増えているとは思えない。

またp41によれば全国の自治体の下水道技術者の不足が言われているがこれを解決するには民営化が必要なのか。国に水道技術者の育成の提言をすることは意義があると思われるが、現在なぜ下水道の一部民営化が必要かのごとき論調に繋がっていくか理解に苦しむ。

また海外への技術支援などを大阪市が行っていることは評価できる。ただ、それを民営化も含めた事業展開につなげる理路が理解できない。国や大阪府に、あるいは全国の自治体と連携して、開発途上国の水道インフラ技術支援を公的に行う制度を拡充すべきだと思われる。大阪市はせっかく提案能力のある市長を抱えているのだからそうすべきである。

p46「他都市では、下水道技術者が不足するなかで適切な運営管理が課題であり、ビジネスチャンスが存在するにも関わらず、本市の技術・経験が活用できていない」とあるが、大阪市で人が余っているから民間に技術移転をし、それを全国に波及させるということなのだろうか。なぜ、自治体間の人材派遣や技術支援関係が組めないのか理解ができない。

p46「・浸水対策、合流式下水道の改善等が実施途上で、市民の安全・安心を確保する目的の施設整備完了に今後さらに相当期間・費用を要する.」ならば、事業のスリム化や他都市との技術提携関係を形成する必要があるがなおさら、民営化ではなく公的な責任が大きいといえるのではないか。

p60「・運営権は法に定められ、下水道事業への適用も可能とされているが、詳細設計が必要」とある。つまり国や自治体間での制度改正がまだなのに、先行実験的に大阪市が行うことが本当にいいのか疑問がある。

p63「• 民間の経営手法の導入によるコスト縮減や収益性の向上」本当にそうだろうか。民間から登用した公募区長、公募校長、交通局長なども問題を起こしており、法的な制約をかけることができるか十分な議論もないまま拙速に民営化していいものだろうか。

p70「平成27年度新組織設立を見据えた上下分離方式の試行実施として、 (一財)都市技術センターが以下のとおり包括委託業務を受託

・25年度:西部方面管理事務所管内下水道施設の維持管理業務

・26年度:市全域下水道施設の維持管理業務」

のタイムスケジュールと大都市特別区設置がどう関連するのかしないのかお答えいただきたい。

p74

「・下水道の持続性、都市インフラ運営による市民の安全・安心の確保など、新組織の設立趣旨を理解し、

その事業展開に資する出資者が必要。

・出資者は、新組織の運営方針に大きな影響を与えることができるため、その選定については慎重である

べき。

・市民生活に直接影響することを考慮し、出資者選定は実績・事実に基づき、新組織事業にプラスとなる

主体を選定することが好ましい。」

本当にこのような出資者がいるのか。いたとして本当にそれを民間参入させることに大阪市民の広い合意形成がなされているのか、この資料から感じ取ることができない。

ゆえに下水道事業の混合型運営権制度の導入による民営化には賛成するに十分な合理的な理由と、市民の合意と必要性に関するデータがそろっていないし、提示されてはいないので、反対する。

なぜなら現在大阪市が持っている下水道事業の強みと弱みが、民間参入によってよりよくなるという保障がないからだ。国や自治体に技術支援関係や海外への技術支援制度を作るよう提言していくべきであり、民営化はその答えにはなっていないと思われる。