細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

戦時下に敷かれた東京都制と大阪都構想

保坂展人世田谷区長が、東京都の特別区制度は都に権限(都市開発権限)や財源(法人市町村税や固定資産税)を握られており、特別区には十分な権限がなく、大阪が、それを真似て都構想というのは理解できないと吉富有治氏のインタビューに答えて言っています。

「世田谷区長である私の立場から確実に言えることは、東京23区の置かれている実情を大阪市民や政治家の皆さんはどれほどご存じなのかということだ。特別区は都から不当な支配に置かれ、""下部団体"として見下げられてきた歴史がある。区の権限が制限され、そのため世田谷区も政令市を目指すという時期もあった。過去の区長の中には「世田谷独立宣言」というポスターまで作った人もいる。東京の都区制度は戦時下にできたもので歴史的な役割はほぼ終わっている。今は都と区との間で調整に次ぐ調整を重ねながらやっと持ちこたえている制度だ。東京23区の区長の中で大阪都構想に賛成の声は聞いたこともない。」http://blog.livedoor.jp/woodgate1313-sakaiappeal/archives/43337241.html

大阪市は政令市として都道府県に匹敵する都市計画や港湾開発権限や独自の交通システムをもち、住民投票大阪市が解体され5つの特別区になりますと、これらはすべて大阪府のものになり、府の権限や財源だけが大きくなり、大阪市地方自治、あるいは住民が議員を選んで大きな町のあり方の変革が困難になりますから保坂さんの疑問はもっともです。

自治体は、単に役人天国や敵ではなく、住民が常にチェックし、議員やあらゆるルートを使って市民生活を向上させるつーるとしても考えないとだめです。

その点単に役所を敵視させた維新の政治はきわめてミスリードであると感じます。



また維新が都構想で言ってることは戦時中に東京都制を敷いた時の言葉とよく似ている気がしますが気のせいでしょうか。杞憂だといいですね。
「東京都制の目的は「帝都たる東京に真の国家的性格に適応する体制を整備確立すること」、「帝都に於ける従来の府市併存の弊を解消し、帝都一般行政の、一元的にして強力な遂行を期すること」、「帝都行政の根本的刷新と高度の効率化を図ること」にあった」http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%88%B6/

帝都という言葉を抜いて以下の文言と対照してみてください。
東京都制を敷く時も「府市並存」つまり二重行政をやめるといっていました。で、起きたのは戦争と東京集中の中で、特別区が自治を発揮できずにいた姿です。
また二重行政自体が本当に存在するか?するとしても問題のある二重行政かは要精査だという指摘もあります。

夢が膨らむ言葉に惑わされず、私たちの町のリアルな姿と未来を考えたいですね。


大阪市の24区を再編し、5つの特別区を設置し、大阪府大阪市の広域行政を統合すること。それが大阪都構想です。広域行政を担当してきた府知事と市長は、都知事1人に。これまでの二重行政をなくし、税金のムダ遣いを解消します。身近な住民サービスを担う5つの特別区に、選挙で選ばれた5人の区長が誕生します。より地域密着型の行政サービスを展開していきます。 」http://oneosaka.jp/sp/tokoso/q-and-a1.html