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細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

放射能被ばく由来の白内障に関するエビデンスはかなり存在するようだから注意が必要

福島第一原発事故の事故時の緊急作業従事者について、放射線白内障に発展するだろう初期病変が激増しているという研究が2015年6月22日厚生労働省のサイトに発表されているということをTwitterで教えていただきましたのでリンクしておきます。

文献番号 201425008A
報告書区分 総括
研究課題 東京電力福島第一原子力発電所における緊急作業従事者の放射線被ばく量と水晶体混濁発症に関する調査
課題番号 H25-労働-一般-004
研究年度 平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関) 佐々木 洋(金沢医科大学 医学部) 
研究分担者(所属機関) 初坂 奈津子(金沢医科大学 医学部) 
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 労働安全衛生総合研究
開始年度 平成25(2013)年度
終了予定年度 平成27(2015)年度
研究費 1,539,000円
研究者交替、所属機関変更  

 

全て表示|厚生労働科学研究成果データベース MHLW GRANTS SYSTEM

 

結果と考察:
本年度は受診者の多い施設である東電本店、福島第一原発柏崎刈羽原発における健診を行い、計510名(1020眼)の水晶体撮影を行った。水晶体撮影は前眼部解析装置(EAS-1000、ニデック)および簡易型徹照カメラを使用し、水晶体徹照画像およびスリット画像の撮影を行い、撮影画像から申請者が白内障の混濁病型について判定した。水晶体混濁の有所見率は皮質白内障2.06%、瞳孔領皮質白内障0.59%、核白内障0%、後嚢下白内障0%、Retrodots 0.39%、Water clefts 1.96%、Vacuoles 12.55%であった。昨年度より対象者数が増えてはいるが、昨年度の有所見率に比べ本年度は高く、この1年で新たに白内障初期変化を発症した症例が多くみられた。放射線白内障に特徴的な後嚢下白内障の初期病変である可能性がある後嚢下中央3mm以内のVacuolesの有病率も昨年度(1.96%)に比べ、本年度(7.45%)は急激に増えており、来年度以降に後嚢下白内障を発症する症例が増える可能性がある。 昨年開発した水晶体徹照撮影用簡易型カメラを健診で使用し、改良点について検討した。徹照画像をきれいに撮影するためには虹彩面に合わせる必要があり、眼球とカメラの距離を微調整しなければならない。暗室で行うには難しいため、カメラ装置にLEDライトを組み込み、暗室での微調整・撮影を可能にした。また、暗室でも被験者が固視灯を見やすいように、装置内部に赤・緑のLEDライトを取り付けた。長時間の連続撮影を可能にするため、バッテリーを電源を使用するもに改良した。 本年度、Vacuolesの有所見率が急激に増えたことを確認できたことは、本縦断的調査での大きな成果と言える。被ばく量との関係がまだ検討できていないため、これが本当に放射線被ばくの影響であるか断定できないが、その可能性は十分にあると考える。今後も長期に渡りこれらの症例を追跡調査することにより、被ばく量と初期混濁発症時期の関係、初期病変の進行過程を明らかにすることで、低線量被ばくによる水晶体への影響をより明確にできる可能性がある。水晶体の累積被ばく量については、近日中に東電側からの入手が可能になるため、来年度は累積被ばく量と水晶体混濁の関係について検討ができる。 受診者数が多い健診施設用に開発した簡易型徹照撮影用カメラを設置して、多施設で調査を行う予定であったが、限られた予算であり調査の実施は極めて困難であるのが現状である。しかし、開発中の簡易カメラはEAS-1000と同等の画像が得られることも確認しており、今後の放射線白内障の評価に有用であると考えられた。
結論:
被ばく後4年では視機能に影響する放射線白内障の症例は少なかったが、この1年で初期白内障の有所見率が急増した。今後視機能に影響する白内障を生じる症例が増加する可能性がある。

 放射線白内障に本格的に進展するだろう「放射線白内障に特徴的な後嚢下白内障の初期病変である可能性がある後嚢下中央3mm以内のVacuolesの有病率」が2015年に入り4倍に増加しています。調査研究者も「被ばく量との関係がまだ検討できていないため、これが本当に放射線被ばくの影響であるか断定できないが、その可能性は十分にある」といっています。

 

 

放射線が目にダメージを与え、白内障を発症することはよく知られています。

 

原爆影響をABCCの時代から調査してきたいわば「御用機関」ともよべる放射線影響研究所はこういっています。

 

 放射線白内障は、水晶体の一部ににごりが生じるものであり、水晶体の後側表面を覆う傷害を受けた細胞に発生する。放射線被曝後、高線量であれば早くて1-2年、それより低線量であれば何年も経ってから症状が現れる。放射線白内障がどれくらいの頻度で重度の視力障害を生じるほどに進展するのかは明らかではないが、最近行われた調査では、手術を受けた白内障症例は1 Gy当たり約20-30%の過剰であった。被曝後早期に出現した放射線白内障については、影響を生じない低線量での「しきい値」があるかもしれないと考えられているが、最近の調査では、しきい値はないか、あったとしても0-0.8 Gy程度ではないかと示唆されている。

放射線白内障(水晶体混濁) - 放射線影響研究所

 高線量であれば1~2年、低線量では晩発性障害として表れてくると書いています。

最近の調査では、しきい値はないか、あったとしても0-0.8 Gy程度ではないかと示唆されている。しきい値=これ以下なら発症しないという値はないかもしれないようです。

 

この記述はなんと、チェルノブイリ事故の被災ウクライナ政府の報告の記述とも合致します。

 放射線白内障とその他の眼疾患

チェルノブイリ事故以前には、放射線白内障線量負荷が2 Gy以上でのみ起こるのだと思われていた。しかし、1990年にはこれよりも低い線量での白内障の発現が報告されていた。1992年には、放射線白内障の特定のピークが1997年に起こるであろうと予測された。これは、チェルノブイリの被害者における放射線白内障の2つの独立した研究によって証明された。これらの研究機関は、ウクライナ国立放射線医学研究所(Research Center for Radiation Medicine、略称RCRM)の「臨床疫学的登録」(Clinical-Epidemiological Registry、略称CER)と、国際研究組織の「ウクライナ・アメリカ合同のチェルノブイリ眼研究 」(Ukrainian/American Chernobyl Ocular Study、略称UACOS) である。
現在、典型的な臨床像を持つ放射線白内障は223症例が知られている。

 ●UACOSの最初の結果は、2 Gyよりもっと低い線量の閾値の可能性を示した。年齢グルー プによっては、閾値がおよそ0.1 Gyだった。閾値白内障の種類に依存し、0.7 Gy以上にはなり得なかった。
 ●CERの調査結果の分析によると、典型的な放射線白内障は0.1 Gy以下の線量で起こった。5年間被ばくのリスクを受けた後の、被ばく線量による放射線白内障の絶対リスクは、図3.70に示されている。

 

放射線白内障のモデルによると、放射線による集積相対リスクは1 Gyあたり3.451(1.347, 5.555, p<0.05)だった。白内障の発達は、また、放射線被ばくの期間にも影響された。この研究での放射線白内障閾値は定められなかった。潜伏期間は22年以上であり得る。これらの研究と数学的モデルにより、放射線白内障放射線被ばくの確率的影響であると証明される。

 

この研究を見ても閾値はあるとしても0.7~0.1Gy(水晶体の等価線量)、いやそれ以下でも影響は確かめられ「この研究での放射線白内障閾値は定められなかった。潜伏期間は22年以上であり得る。これらの研究と数学的モデルにより、放射線白内障放射線被ばくの確率的影響であると証明される。」ということになります。

 

参考に以下の厚労省の文献からも低線量あるいは閾値なしで放射線白内障が起きてくることが示唆される文献が複数存在することがわかります。

白内障放射線被ばくに関する医学的知見について I. 白内障に関する文献レビュー結果 白内障については、ICRP Publication 118(ICRP Statement on Tissue Reactions and Early and Late Effects of Radiation in Normal Tissues and Organs – Threshold Doses for Tissue Reactions in a Radiation Protection Context)の 2.6 節に評価結果が 示されている。

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/130726_3-21.pdf

 

思ったより低い線量で、さらに数年~20年程度で影響が出てくるようなので

十分警戒が必要と思います。

初期被ばくの可能性がある方、汚染地域に長期間居住されている方は検査が必要だろうと思います。

私がまず心配すべきと思うのは、命に直ちにかかわるものとして血液のがん、QOLが低下するものでエビデンスがある甲状腺疾患や白内障などの眼科疾患、エビデンスは十分ではないが原爆、チェルノブイリの研究から心配であり、致死率の高い脳血管疾患、心筋梗塞や大動脈りゅう破裂などの循環器障害などです。

他にも固形がんの閾値もないですし、また糖尿病、高血圧、免疫力の低下なども慢性的な問題を引き起こします。

 

大げさに心配しているのではなく、原爆やチェルノブイリで発症が懸念されているものですので。