細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】遺産

ゆらぎ、ゆらがせる

僕に策略はなく

波間に漂う思いはあり

軽率な勇気はあり

それは勇気とは呼ばない

壊れながら自らの力のなさを謝り

謝りながら飽きもせず壊れ

 

 ゆらぎゆらがせる

 どこに行くこともできないので

 この世界に馴れるために

 何粒も涙をのんだ

 

知恵の言葉をいくら服用したってそれは

よそ行きにすぎず

文明が人間を必要としなくなって

汚れ壊され続け

ただあり続ける

死に続ける

どこにも確かなものがないということは

ある程度確かなように思われる

 

 僕の存在は

 どこからどこへ延長している

 資格のない

 夜に走る空気と光の筋と

 

なぜここで

僕はできないことを嘆く必要があるだろう

 

できないことがあっていいのではないか

 

できないことがあるということが

ひとつの褒章ではないか

島ではないか

遺産ではないか

 

雨が降って