細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】矛盾律

私を知ろうとしてください。

簡単にはわかったと言わないでください。

見捨てないでください。

匙を投げてもしようがないかもしれません。

私には客観は、見えないのです。

私には主観しかありません。

主観をじっと冷淡に見つめようとします。

熱くなると自分がうまく操縦できなくなります。

私を理解するのはとても難しいと思います。

私は理解を求めています。

しかし簡単にはわからない仕組みでできているようです。

わからないからといって投げ出されたら辛いですが、わかりにくいため、そうされても仕方ないかもしれません。

仕方ないのかもしれません。

寂しいですが、私はそう作られたのです。

と、納得しようとしますが

納得できません。

あなたの手の中にあるものは何でしょう。

私が見たこともない、美しいこの世界のかけらだろうか。

私は乾いた、平坦な世界を滑っていきます。

この平坦な世界で

あなたをどう知ることができるか

あなたの声によってか

あなたの姿によってか

蜃気楼のようなものだろうか。

切実に助けて欲しい時に

うまく他人を見つけられない。

私は恐ろしく傷つきやすいようです。

他人が、こんなことくらいわかるだろうということが私にはわかりません。

だから他人に悪気がなくても私は傷つくようです。

逆にひどく難しいことでも、すんなり理解しこだわらないので、わけがわからなくなるでしょう。

砂場にトンネルを掘り

水を流して

ひとつの世界が完成です。

幼い頃私は砂場によくきました。

心が落ち着くからです。

自分に向き合えるからです。

わけがわからない、なれないと思っていた大人になりました。

しかしなっても

何も手につきません。

こんなに言葉だけか

私は。

言葉では追いつかない。

どんなにひどい罪でも許してしまうのだろうか。

私は私たちと言うものは。

雲の切れ間に光る空を

私は泣いている。

私にはちょうどよい感情はない。

すべて知性で制御されている。

私が私を制御できなくなれば、

世界を感じる人はいなくなる。

このように彷徨う私は

助けようがないか。

いくら泣いて、自分では叫んでいるつもりでも

あなたには聞こえないだろう。

小さな箱の中で

サイレンが渦巻いている。

経験と論理だけで乗り越えようとする。

すり抜けたトンネルに

あなたを置いてきてしまった。

しかしあなたはあなたで

実はちゃんと存在し

明るい場所にいるのでしょうか。

明るい場所に向かう私は

トンネルを抜ける。

そこには見過ごされた小さな秋がある。

何もかも欲することなく

ただ過ごされている時間の中で

砂時計の砂は積み重ならない。

私はいつまで理解されたいのか

理解されたいのと同時に

理解されない覚悟でいるのか。

矛盾

矛盾

無矛盾

雲が目の前をおっとり行き過ぎる