細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

僕が数え切れていないすべて

傷つきやすそうにふるまっている
本当に傷つきやすいのかはわからない
比べることができないから
傷つきやすさは

けれども、空は僕の胸に降ってきた
土から僕は立ち上がる力を与えられた
ほとんど壊れたような世界であっても
その傷と傷つきやすさごと
僕に与えられ
僕は恥ずかしげに立ち上がり
生まれたてのヒツジのようによろめき
ほとんど終わりの世界から吹いてくる風に
僕をさらしているしかなかった


短い毛髪の少年が草を二、三本握りしめている
橋からそれを放り投げる
とくに考えはないかもしれない
土の壁に沿って
ピアノの音が流れていく
なぜこんなところに降り立って
しまったのかわからない

ただ生きているだけで恥ずかしげである
僕は誰もがもしかしたら

ただ生きているだけで罪を感じていても何もできない
僕は誰もがもしかしたら

ただ生きているだけで学問かもしれない
僕は誰もがもしかしたら

ただ生きているだけでお経かもしれない
僕は誰もがもしかしたら


僕は
これでいいといってみる
これとはちがうという答えがすぐに吹き付けてくる
壊れた原子炉から
これでいいのかと
僕らを焼き尽くす灰が吹き付けてくる

難しさは須弥山の頂点に達する

しかし難しくない
しかしなんとこころもとない
しかしこれでいいといってみる

すべてと
僕が数え切れていないすべてと
これでいいのかと
話し合ってみる