放射能汚染廃棄物拡散をいかに防ぐべきかー5月31日止めよう放射能汚染廃棄物の全国拡散大阪集会報告
エルおおさかで先日開催された止めよう放射能汚染廃棄物の全国拡散大阪集会の私が注目した部分の報告です。
☆高島市の汚染チップ不法投棄事件 投棄現場の近くにお住まいの方の話。
全量300トン。地元民も声をあげず、市民環境研究所の石 田先生に測定を頼む。土木事務所の許可で新聞記 者、地元民数名、石田先生が立ち入り調査。
門扉で0.56マイクロシ ーベルト
77袋、河口側。1.269マイクロ、ベクレル最大1200 0ベクレル、放置されていたので7000から8000ベ クレルの検体も最初は1万越えていたかも。滋賀県 は3900ベクレル、しかし含水。石田先生は風乾。 風乾が本来だが、環境省、滋賀県は含水を是とし てしまった。
Uさんはチップが運び込まれたのをみていた。近所 の集落のひともみていた。滋賀県は3月からとい うが、1月から。8月27日に投棄した本人が県庁に 通報。不正に荷担したくなかったというが本人は ヤクザであり、わざとばらしたのではないか。県 警が捜査中。
最初は滋賀県も代執行を考えていたが福島もどこも引き取り手はいない。地元民はフレコンに早く入れてと。かだ知事は環境省を訪ね、産業廃棄物 処理事業団が検討助言会議に。そこでなぜか「善 意の第三者」なるものがあらわれて撤去をすると。しかしマスコミが殺到 しつぎに12月にまたちがう「善意の第三者」が撤 去強行。
撤去後の土壌汚染の値は低くなったが
撤去作業中の飛散防止策や作業員の放射線防護はあまりなく
撤去したものの
行き先もわからない。
滋賀県は、県の費用を使わなかったというが、わけのわから ない第三者にやらせるより県の費用を使ってでも やるべき。県民の健康は無視。風評というが滋賀 県民すら汚染チップ事件をあまりしらないから風評被害はそんなに起きてないはず。
現状回復したが、半年も放置した滋賀県の罪。かっていた犬も具 合が悪くなり、タヌキの死体も数回みられた。ア スベストなら飛散防止するのになぜ放射能はしな いのか。8000ベクレル基準はおかしい。汚染地域ごと に汚染基準を決めるべきと石田先生もいっている。来年特措法改正。
汚染チップや拡散は国のいい加減さが原因。東電の金は 、犯人に渡っている。お金は持ち去られ、すて場 所はない。東電の賠償のあり方がおかしい。被曝 を強いられた住民は訴えることが難しい。悪徳業者に制裁をしないとなめられるため、刑事告発した。
☆次は明治学院大学で環境政策がご専門で廃棄物や原発問題に詳しい熊本教授による、廃棄物海面埋め立て及び汚染廃棄物拡散問題。
遮水護岸は水を通しにくいだけで水を通す。 埋め立て地の内水は外洋より水位が低くなくてはならないが、水位のコントロールはなかなか大変。例は福島第一。地下 水が高いため、海に漏れ出す、そのため組み上げ 、凍土壁という場当たり対応。
遮水壁は水を通さないと埋め立て地はプールにな ってしまう。ならないのは外洋と通じているから 。つまり、大阪市などが所有する通常の廃棄物海面埋め立て地でも、汚染物質は外洋に出ている。
つぎにセシウムが漏れ出さないために、ゼオライトを使うと大阪市はいう。しかし ゼオライトはイオン交換作用がある。海水のカルシウム やマグネシウムイオンを吸着すると セシウムイオンを手放す。海水中によくとけだしやすい。 内陸は起きにくい。
海水でもむろん生物濃縮がおきる。 淡水で魚は体外から水を入れる。餌を食べること でエサの元素つまり、セシウムなどをいれてしまう。海水では体外から水を入れにくい。 しかし、海水魚でもセシウム濃縮は起こりうるこ とは明らかなデータがある。
つまり海洋埋め立てでこれまでのやり方ではは外海にセ シウムが漏れだしセシウムなどが生物濃縮する懸念がある。
次に放射能汚染廃棄物がなぜ全国に不法投棄されてしまうか。
産廃は抑止制度をもうけたが、排出企業は廃棄に お金をかけたくない。ゆえに悪質な企業は不法投棄をしてしまう。悪質な企業がマニフェストを適正に書 くということを監視する仕組みがない。 年間2000件だが発覚し検挙したものだけ。 実数は万を越える
優良性評価制度もICタグによる追跡もコストをか けたくない悪質業者は無視。自己努力、性善説だから今の制度では悪質業者の不法投棄への抑止力はない。
廃棄物は負の財。
廃棄や処理にコストがかかり、普通の経済における商品とは逆に、所有者が損をする仕組み。
基本的にマイナスの価値の財である。
大量に投棄処理を頼めば金かか る。
不法投棄するほどコストが安くなり、不法投 棄へのインセンティブが高まる。規制当局はそれ にあわせた仕組みにしない。
産廃の処理責任は事業者にある。それはいいが、 企業まかせにしてしまい、企業はコストを安くし たいから不法投棄してしまう。 だから企業まかせにしてはならない。熊本先生は 負の財であり、企業まかせにしてはならないと提 言しているが日本はそうしない。 企業まかせにしていないのはデンマーク。
デンマークはコムネケミという公的機関に必ず処理を委託せねばならない。スウェーデンも国営。 産業廃棄物は価格競争はだめ。普通の市場システムでは安くあげようとして必ずや不適切な処理や不法投棄はされてしまう。
処理先は限定せねばならない。
不法投棄が常態化している産廃業界に8000ベクレ ルで、放射能を入れ込んでしまったため、必ず拡 散が起きてしまう。熊本先生の話は明快。日本に 住む市民は全員で考えなきゃ!
放射能汚染廃棄物対策地域内では、8000ベクレル以上でも以下 でも国処理。しかし汚染廃棄物対策地域外では800 0ベクレル以下は普通の産廃になり、拡散や不法投 棄が行われてしまう。わざわざ拡散を促している としか思えない制度。
※資料
特定廃棄物の埋め立て方式。
特定一般廃棄物や特定産業廃棄物の謎の分類
国、環境省は農家に、放射能汚染された特定廃棄物の仕組みを伝えているか熊本先生は聞いた。 市町村自治体に通知したがあとは放置。 さらに8000ベクレル以下は取り締まりなし。 話にならない。 稲わらや堆肥以外の木屑や繊維くずは、取り締ま られていない。故に不法投棄が起きて当然。
リサイクルにはベクレルによる規制基準は国に存 在しない。再生製品が100ベクレルになればいいか ら、再生原材料には規制なし。薄めて100にしたらよいとな ってしまう。処理作業者の基準は年間10マイクロ シーベルト。
リサイクルに汚染廃棄物が流 れ込みやすい。 以前から循環型社会は汚染循環だった。焼却灰などが再生セメントや道路のアスファルトに再利用されていた。
リサイクルを使った合法的な汚染拡散。 今の仕組みのままではそうなってしまう。 ぜひ皆さんの取り組みを、私も協力しますと熊本 先生。
廃棄物は掃除でもなんでもそうだが、集中と隔離 。永久に隔離する技術はないから、永久に監視する必要がある。広域処理は故に廃棄物処理原則からみればおかしい。 排出責任は企業でおかしくないが処理を民間任せにせず、公的に管理するために廃棄物処理法を改 正し法的規制を強めることが大事、というのが熊本先生の見解。
コンクリや土壌改良剤や建材などに汚染拡散され やすい。
次に大阪瓦礫訴訟原告団長小山さんが訴訟の意味をお話になったあと、副団長の内海さんが、北港処分地の焼却灰と計測を求める活動 の話をされた。内海さんは東京にいき、環境省の 復興予算や廃棄物処理の問題を青木泰氏とともに会計検査院に 訴え、山本太郎議員に汚染チップなどの拡散問題 を相談。
除染廃棄物などがフレコンのまま福島などで放置 している問題。あれは貯蔵施設を作れていないか らだけではなく、野ざらしにして放射線量を下げ る意図があると環境省筋がいっているという内海さんの報告があった。
以上私が注目した部分を報告しました。
私は熊本先生がおっしゃったように、放射能汚染廃棄物の不法投棄や拡散を防ぐために廃棄物処理法や放射能汚染対処特措法の抜本改正が必要だと思いました。
脱原発しても、放射能を拡散すれば、原子力村は事故に関するコストを市民や自然環境に押し付けることができてしまいます。
これでは脱原発して被曝はさせるというおかしなことがおきかねません。
また被災者を被曝から守り汚染を広げないことが、行政や原子力企業に社会的な責任をとらせ、二度と福島のような事故を起こさせない社会づくりにつながります。
日本中が汚染をされていけば、未来世代に負担を回すことになります。
また、放射能汚染拡散を防ぐことと、移住や保養はセットでなければなりません。
被曝を継続したまま保養したり医療が受けられても根本解決にはなりません。
チェルノブイリ法は汚染管理と、居住制限や医療保障がセットになっています。
きちんと議論しなくてはなりません。
日本でいうならば、原発事故子ども被災者支援法が機能し
8000ベクレル以下も規制できる廃棄物処理法の改革が
必要だと思います。
それには放射線規制を事故前の水準に戻さないと
被曝から守れません。
むろん福井地裁や京都地裁判決を受けて
原子力規制のあり方、原子力損害賠償のあり方を
国や東電の責任を明確化し
被曝や事故による人権侵害から人々を守る方向に転換しなくてはなりません。
なぜ脱原発がそのような目標で行かないのか
私は不可解でなりません。