細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

放射能廃棄物焼却や拡散、放射能安全神話への懸念が市民や専門家から示されている

京都の市民環境研究所の石田紀郎氏(京都大学元教授)は放射能汚染チップ全国拡散に警鐘を鳴らしています。
国と東京電力の、誠意ある情報開示と汚染廃棄物の取り締まりと管理強化が必要ですが、いっこうに国や東京電力は態度を改めません。

農家の責任者には会え なかったが、持ち込まれたチップが放射能汚染物 であることにショックを受けているのはたしかで あった。その一角は立ち入り禁止の看板とロープ が張られており、残念ながら現物のチップを見る ことはできなかった。山梨県の環境整備課が放射 能測定を実施し、3400ベクレルを検出したという 。どのような経過で持ち込まれたのかなど詳細は 分からなかったが、私有地であるから土地所有者 や県がどのように対応するのかが注目される。そ れ以上に、滋賀県山梨県以外に栃木県と千葉県 にも持ち込まれとの情報もあり、全国的に監視を 強化する必要がある。明日はあなたの街で放射能 汚染物が見つかるかもしれない。

http://shiminken.blog50.fc2.com/blog-entry-34.html

それどころか岩手や福島で除染廃棄物の焼却が始まっており、市民や専門家も科学的な批判と懸念を表明しています。


以下のpdfは市民が複数地点で空間線量と土壌セシウム濃度を測定し、焼却施設の風下にあたる地域に統計学的に有意な汚染があると推定したデータです。

岩手県宮古市の清掃センター(焼却 場)で放射能汚染牧草等の焼却後に、風 下にある保育園・小学校の園庭・校庭の 空間線量の値が予測値よりも上昇してい ました(論文5)。http://sanriku.my.coocan.jp/140422miyako5.pdf


実は国の専門家も除染廃棄物の焼却処理に対する懸念が示されつつあります。

緻密な検証が不可欠

国が設ける中間貯蔵施設環境保全対策検討 会の委員でもある福島大学の渡邊明教授(地 球物理学・気象学)は「中間貯蔵施設の議論 でも、減容化施設について国はバグフィルタ ーで放射性セシウムの放出を99%抑えられ ると強調するが、1%の放出でも私の計算で は1時間に200万ベクレル以上という膨大な量になる。こうした放射能の収支などを科学 的に緻密に検証し、住民に真摯に説明しなければ、福島としてはどんな施設も受け入れら れないだろう。ずるずる議論をしていいわけ ではないが、年度予算に合わせた役人のごり 押しのような今のやり方ではいけない」と厳しく指摘する。

http://toyokeizai.net/articles/-/30622?display=b


これらの背景には国際的な原子力推進機関による被曝影響の過小評価があります。
その信頼性の弱さ、被害実態との解離は近年医療や被曝労働のデータをみてもはっきりしつつあります。
また歴史的には中川保雄氏が「放射線被曝の歴史」で国際的な原子力推進機関による被曝の過小評価を批判的に考察しています。

また、原爆被爆者の内部被曝が過小評価されていると裁判所から国は何度も示されていることから明らかです。

<前回期日に吉田弁護士が行なった求釈明> 「多くの矛盾点も指摘されるICRP基準を、 被告はどのような根拠を元に採用したのか説明 ください。」

これに対し、被告・大阪市の書面による回答は 次の通りでした。

被告「詳しくはICR Pの資料が示す通りで す。」

要約すると、こういう内容です。

予想はしておりましたが、案の定、権威にすが るしかない被告の主体性無き実態が示されまし た。

震災がれきの受け入れでは、多くの人々が言い ようのない不安に陥れられました。

それは生命、財産にも直結する問題であり、こ のような被告の姿勢は許されるべきものではあ りません。

吉田弁護士は、被告・大阪市の”はぐらかし答弁” を許すまじと、即座に、反論の陳述を行いまし た。

私たちは、被告・大阪市がICRPの基準を 根拠にしている事は、もう十分に分かっている 、 私達が聞いているのはその事ではなく、被告 ・大阪市自身がICRPを正しいと判断した理 由である!

http://blog.goo.ne.jp/stopgareki/e/f745acb7d97a63e4046b8bccb92cb2aa

上は大阪のがれき訴訟の争点。
がれき焼却が税金の無駄遣いであり、政府が声高にするような全国処理の必要があったのか。がれきが当初の推計よりずいぶん少なく、ほとんど広域処理しなくても予定より早く地元処理されたり、焼却ではない防潮堤への再利用がされたことからもおかしさはあきらかです。

がれき全国処理が終わりつつある時期から、被災地で高濃度の除染ごみの焼却が始まったり、除染廃棄物の中間貯蔵施設建設の国の加速とそれらへの市民の反対は強まっています。

国や東京電力放射能による健康被害も認めようとしません。
つまりがれき全国広域処理は、低放射能汚染の廃棄物を全国処理することで、被災地でのより高い濃度の放射能廃棄物の焼却や被曝による健康影響に対する抵抗を弱めるための、安全神話拡散作戦だったかもしれません。

国や東京電力は市民の意見や抗議を民主的にしっかり受け止めるべきです。

最後に被害を受忍させようとする状況に抵抗する切実な市民の声を紹介します。

そんな中今福島は、大手メディアがほとんど取り あげない もうひとつの重大な問題に直面しています。

原発からまき散らされた膨大な放射性物質はあら ゆるものを汚染しましたが、 それらの処分の問題が、今私たちに新たに重くの しかかっています。

国は汚染された膨大な廃棄物を焼却によって減容 化するという 世界的に例のない方法で処理することとし、 各地に焼却施設を設置する方針を決定しました。

県内ですでに稼働された4基を含めて、合計20 もの計画が進行しています。

放射能汚染物を集めて焼却すれば、 焼却灰や気体に放射性物質が何十倍に濃縮され、 二次汚染と深刻な内部被ばくにつながる恐れがあ るため、 国際原子力上「厳禁」とされています。

環境省は排気筒から出る放射性物質をバグフィル ターで99.9%除去できるとしていますが、 排ガスの排出基準や測定方法は極めて疑問が多く 、 「焼却炉周辺において、市民側の自由な測定をさ せない」など、大きな不信を招いています。

復興の名のもとに進められる除染と帰還の促進。 そしてそれに伴って増え続ける膨大な除染廃棄物 。 これが美しかった福島の風景を一変させています 。

早急にこれを処分しなければ復興が進まない。 「さもなければあなたの町は、何時まで経っても 廃棄物に占拠されたままになりますよ」 環境省はこのように説明し、専門知識を持たない 市町村に焼却施設の受け入れを迫っています。

これは脅迫に等しいのではないでしょうか?

「高汚染地帯の無駄な除染と帰還をやめ、 汚染物は原発周辺において汚染者負担のもと処理を行うよう強く求めます」10/13和田央子さん(文字起こし) http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3335.html