細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

不可解極まりない汚染チップの不法投棄への滋賀県の対応


以前から滋賀県高島市に不法投棄された汚染チップについては私のブログでも検証してきました。

汚染物質を不法投棄した事業者や、その事業者に委託したはずの汚染物質の排出事業者にまずは責任があり、撤去をさせ、汚染を広げない形で、保管させるなどさせなければなりません。
これは廃棄物問題が起きた時の基本です。
廃棄物処理法でも不法投棄は当然違法で、都道府県の指導などに従わないと
いけませんし、罰則があります。

しかし今回不法投棄した事業者や排出事業者の責任を問われることが一切ありません。もし、不法投棄事業者や排出事業者に処理施設やお金がないならば、それはそもそも事業者がその廃棄物を扱う資格がないということです。ならば県が代執行で撤去をしないといけない。その際には処理計画や処理費用を県は県民に公開しなければならない。
また高濃度の放射能汚染物質ならば国などが指導監督すべきです。
しかし国は震災瓦礫除染などでも非常にずさんな対応ばかりしてきました。
あのとき、私たち以外にも市民は国の汚染対策に適切な批判をすべきでした。また滋賀県の今回のような廃棄物における責任や公開原則に反した対応を批判すべきです。

まず測り方が変です。

汚染木材:滋賀県の再検査、NPOが対応批判 - 毎日新聞 / http://t.co/HfjanEL6zU
「 県は今回も含水率60〜76%で調べており、NP Oが対応を批判している。

NPOが10月末に採取したチップから、(略)約1万2000 ベクレルが検出 」

瓦礫は琵琶湖や琵琶湖水系の近くにあり雨などで水分を含んでしまっています。
NPOは水分を乾かして測らないと元のチップの汚染度合いがわからないということで、乾燥させて測定しています。
これは環境省滋賀県がいくら弁解しようとNPOの測定姿勢がオーソドックスで科学的です。

次に
市民からの懸念が無視されています。

「 ただ、実際に作業を行う業者が計画通り、ま た適正に処理するか疑問視する声や、放置現場 だけでなく周辺や対岸などの残留放射線の影響 を懸念する声も相次いだ 」 / “「計画の確実な履行を」 高島の汚染チップ問題 : 京都新聞http://t.co/M4BSj5rOLx

そしてこの予感は的中します。


中日新聞:計画外の業者が撤去へ 木材チップ放置問題:滋賀(CHUNICHI Web) / http://t.co/MlarPXZ1sX
「 当初の関係者が実施しないことになった 理由や、代わりの業者が名乗りを挙げた経緯などについて「相手方との関係で一切明らかにで きない」と 」

なぜ不法投棄した人間や企業が明かにならないのでしょうか。
また処理事業者が変更されたのはなぜか。
滋賀県はなぜ強い権限で、撤去や最終処分に関して
安全かつ緻密な指導を行わないのか?
また滋賀県以外で処理される場合でも、こんなずさんかつ秘密主義的対応では、信頼ができません。

しかしこのままチップの放置もできないわけで、まず撤去をしなければならない。
撤去をしないと汚染がさらに広がります。
しかし頭がいたい問題です。

滋賀県は、不法投棄事業者や排出事業者をかばう理由があるのでしょうか。
疑問を払拭するために滋賀県は法と正義のもとに適切な情報公開を行うべきです。
隠さなければならない事情はなにか。そもそも不法投棄事業者や排出事業者は週刊誌で明かになっています。
もう隠しだてすることが常識的に不可解です。
どんな事情があるにせよ不法投棄事業者は責任を免れることは
原則的には不可能です。

東京電力の汚染を東京電力に知り合いがいる元官僚が不法投棄したのです。早く適切に情報公開をしないと下手をすれば滋賀県まで一味だと疑われてしまうでしょう。

滋賀県をせめるだけではありません。
この社会が放射能汚染に適切に対応するために
環境学者が知事である滋賀県は、真に環境倫理に則った対応をすべきです。