細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

瓦礫処理の不正について総括していたら、国の放射能汚染対策がますます心配になってきた

瓦礫処理は高濃度の汚染がある福島県を除き、宮城、岩手ではほぼ終わりつつあります。

廃棄物全体の93%を再生利用し、再生資材 は岩沼市沿岸部に造成中の人口丘「千年希望の 丘」の盛り土などに活用している。
今後は2次 仮置き場に残った約5万トンの再生資材を運び 出し、炉の解体・撤去を進める。 火納め式では、佐々木源県環境生活部次長や 井口経明岩沼市長らが炉の運転停止ボタンを押した。
佐々木次長は「無事故・無災害で業務を 遂行されたことに深く敬意を表したい」と述べ た。
県受託の災害廃棄物処理は県内4ブロック計 8カ所の2次仮置き場で行われ、宮城東部ブロ ック(塩釜市多賀城市七ケ浜町)と亘理名 取ブロック名取処理区(名取市)で既に焼却を終了している。県は年度内に全ての2次仮置き 場の処理と焼却炉の解体・撤去を終える予定。
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/10/20131020t13020.htm

青木泰さんのお話では、広域処理に400万トン予定されたが、実際は20万トンくらいしか広域処理していない。それでも岩手宮城では瓦礫処理が終わりつつある。
変ですね?
なぜなら、実際に瓦礫の見積りが過大であり当初より少なかったし、最大の瓦礫のある宮城では県議会が税金の無駄ではないかと反対して、宮城が早期に広域処理をやめて、緑の防潮林などにシフトしたわけなんです。上の記事にもある通りです。

つまり、終わりつつある瓦礫の問題なんですが、それはなんだったかは考えてたおきたいと思います。

1

瓦礫問題についてはあざらしサラダさんのまとめがわかりやすいです。
まず国が作った仕組みを知れば、これが被災者支援ではなく、税金をばらまいて自治体に受け入れさせやすくする仕組みであり、何のためにそうしたかといえば、福島の原発事故は大したことがなかったという政府のアピールに他ならなかったことしか今のところ見当たりません。
九州や大阪に運ぶというのは、費用対効果からもあまりに疑問であり、放射能管理としても専門家から疑問が噴出。

安斎育郎「がれき広域処理」は愚の骨頂-「 放射性物質は拡散せず封じ込める」 が放射線防護の鉄則 http://t.co/aegmqUxkPU 

今中哲二「福島で出たガレキは、関西大震災で出たガレキとほぼ同量で、 関西大震災のガレキは地元内でふつうに処理 していたので、(略)地元で充分 保管できる量になるのに、それを全国にバラ撒こうとしていること自体 がウサンクサイ。 」 http://t.co/KXciNrGbgj


彼らは反原発の中では比較的危険を主張する先生ではありません。しかし彼らですら合理性がないと思っていた。放射能管理としても変だぞと。
内部被曝の害を強く主張する松井英介さんや大和田幸嗣さんらはもちろん強く反対されました。
今年二月に関西の環境や放射能の専門家が大阪市瓦礫処理の中止を求めましたが
そのなかには、環境学の大家の方々も賛同されています。

下はあざらしサラダさんのまとめ。

�流用した復興予算を余らせたくない環境省は多く の自治体に「補助金」をばらまきたい。

�そこで「がれき」を受け入れなくても「検討」し ただけで「補助金」を出すことにした。

�「補助金」に目が眩んだ自治体は「必要性」が無 いのに「がれき」の受入れを開始した。

�しかし総量が減って「がれき」が残っていないの でどの自治体も前倒しで受入れを終了した。

�それでも「補助金」をばらまきたい環境省は現地 処理を減らして「がれき」を配ることにした。

�大阪や富山で現在受け入れている「がれき」はこ うして無理矢理作り出した「エアガレキ」だ。

�「エアガレキ」だから強引に受入を決めた大阪や 富山も前倒しで終了することになった。

�結局のところ「がれき」ではなく「お金」の広域 処理だったが、それでいったい誰が喜んだのだろ う。

http://azarashi.exblog.jp/18051821/

こういうお金にだらしない、情報がいんちきである、合理性がない問題は瓦礫や他の放射能管理政策では除染に受け継がれてしまっている。
これはあとで論じます。
また環境省南海トラフ地震などでも広域処理をやりたがっている。
環境省がこういう姿勢であるのに放射能の環境規制の主務官庁であるのはよくない。監視が必要だと思います。

時間があるかたはパブコメを書くのもよいかなと思います。
放射性物質の常時監視に関する検討会の報 告書(素案)等」について、広く国民の皆様か らご意見をお聴きするため、平成25年10月8日 (火)から10月31日(木)までの間、パブリッ クコメントを実施いたします。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=17221


次に

隠された議事録

いまだに一部公開していない議事録があるそうです。
国が放射能に汚染された瓦礫を処理したり、除染をしたりするときに、そのリスクを検討する専門家会議をやったんです。で、放射能汚染対処特措法などをつくり、除染瓦礫広域処理を可能にした。廃棄物や放射能の専門家が集まり会議をしたんです。
しかし国会の審議の時もそれ以降自治体に要請したり、住民に説明するときにも、この検討会議の議事録は公開されませんでした。
おかしいな、これでは安全か危険か判断できないということで、市民らが開示させようとしました。
で、すると議事録を作るお金がなかったといったわけです。しかし議事録は、役人が紙と鉛筆を持って速記するか、テープで録音すれば作れます。お金はほとんどかかりません。
そこで言い訳に「お金がない」いうのはおかしいということです。
秘密保全法案でも問題になってますが、基本的には行政は、情報公開法に基づいて、市民に情報を公開せねばなりません。よほど特別な事情がない限り、可能な限り情報を出し、市民の開示請求には誠意を持って答えなくてはなりません。
原発から出る放射能を一般のごみ処理施設では処理する基準が事故前にはいっさいなく、事故が起きていきなり処理できるとなったから、「なぜ?」と思うひとがいて当然。
当然出てくる疑問にまともに答えないのが環境省だったと。今も八回から十一回まで議事録がありません。要旨はありますが。
これで、放射能に関する環境法関連を環境省が仕切るといってるんですね。

以下はモジモジ先生の指摘です。
彼は公共経済学者です。
他の先生方もこういう指摘をすれば、瓦礫が全国に運ばれることは全くなかったと思います。
モジモジ先生が特別に見えるのが不思議です。
私も大学の政治や社会科学の授業では
主権者の参加が大事だと習いました。私の通った大学は保守系ですがそれでもそう習います。主権者の参加のためには議論と情報公開が必須です。

最後にいっこだけ言っときます。環境省、広域 処理の宣伝に40億円かけたくせに、あなた方は 3月、安全評価検討会の議事録、カネがかかる から作成しなかったって答弁してたよね?今あ なたは作成されているはずですけども、今は発 表されてる、公開されてるはずですけども、公 開すりゃいいってもんじゃないんだよ!

去年、法律をつくった時点では、国会議員の先 生方はそれを知らない状態で、議論してたって ことです。それは隣に座ってる馬場さんも、4 月19日、貝塚の説明会であなた認めたでしょ?

http://www.at-douga.com/?p=5845


3
隠された瓦礫データ
これはわかりやすいです。
隠蔽をしていたのは環境省だけではないのです。
なんら隠す必要のない瓦礫広域処理の必要量を岩手県庁の廃棄物担当課までが隠していた。しかもそれを隠すのは妥当ではないと県の情報公開審査会が判断したんですね!
つまり、瓦礫の量を知られると続けられない事業であった疑いがあります。
普通はこれだけで頓挫しそうな計画です。
店でいったら、何個在庫があるか誰にも隠して事業は継続できますか?
無理です。瓦礫も復興増税を原資とした国と自治体の事業ですから同じです。

震災がれき広域処理必要量の一部非開示 「妥当でない」
岩手 産経新聞 10月9日 7時55分配信

県が震災がれきの広域処理必要量について一 部を「黒塗り」にして情報開示したのに対し、 盛岡市の市民団体代表らが異議申し立てをして いた件で、県情報公開審査会が「非開示は妥当 でなく、開示すべきだ」との結論を出していた ことが8日、分かった。

盛岡市の市民団体「春を呼ぶ会」(舘沢みゆ き代表)と宮古市の同「子どもに豊かなふるさ とと未来を残す会」(古舘和子代表)が明らか にした。

情報開示請求に対し、県が黒塗り文書を提示 したのは3月21日。震災がれきの受け入れ市 町村名や野田村のがれきの広域処理必要量など が黒く塗りつぶされていた。黒塗りの理由は 「意思決定過程のものであり、公にすること で、県民などに混乱を生じさせるおそれがあ る」などとなっていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131009-00000003-san-l03

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瓦礫処理事業には国税のメスが!

記事は削除されたんですが
復興バブルの不透明さがわかる記事です。
瓦礫はその真ん中にある問題です。

復興事業巡り初の税務調査 NHKニュース


東日本大震災被災地でがれきの処理事業を 受注した業者の間で税務申告の不正が疑われ るケースが相次いだため、仙台国税局がプロ ジェクトチームを作って税務調査に乗り出 し、申告漏れを指摘していたことが分かりま した。 震災の復興事業を巡って、国税当局が大規模 な税務調査に乗り出したのは初めてで、今 後、一斉に調査が行われると見られます。

東日本大震災被災地から出たがれきなどの 処理は、全国17の都府県で行われていて、 処理費用は今年度までの3年間でおよそ1兆 2000億円と見積もられています。 国税庁の資料や関係者の話によりますと、

うしたがれきなどの処理を請け負い、多額の 売り上げがあった業者の間で税務申告がない など、不正が疑われるケースが相次いだとい うことです。 このため仙台国税局は、去年、

で「復興マネープロジェクト」という調査 チームを作り、仙台市などで業者の税務調査 に乗り出しました。 その結果、十数の業者で経費を水増しするな どの不正が見つかり、仙台国税局は申告漏れ を指摘し、悪質なケースについては重加算税 も含めて追徴課税したということです。 東日本大震災の復興事業を巡って国税当局 が、大規模な税務調査に乗り出したのは初め てで、今後、ほかの地域でも一斉に調査が行 われると見られます。 税務調査の実務に詳しい、国士舘大学の酒井 克彦教授は、「巨額の税金が投入された復興 事業について、プロジェクトチームを作って 調査するのは、強い関心を持ってチェックし ていこうという国税当局の姿勢の表れだ」と 指摘しています。

震災がれき処理の現状は

東日本大震災で発生したがれきや津波による 堆積物の量は、北海道から長野県までの13 の道と県で、原発事故による福島県内の避難 区域を除いて合わせて2900万トン余りと 推計されています。 これらのがれきなどは全国17の都府県で処 理されていて、その費用は市町村などがいっ たん負担しますが、補助金交付税によって 最終的には国が全額を支払うことになってい ます。 処理費用について環境省は、今年度までの3 年間で合わせておよそ1兆2000億円が必 要だと見積もっています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130823/k10013975431000.html




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瓦礫も変だが除染も変だ!

除染は、作業員も被曝するし、福島県以外の各地でも置場所がなく、さらに除染をしてもしばらくしたら、よそから放射能が流れてきて線量が戻ってしまうという問題があります。
何よりも除染の間、被曝を我慢させられるのもよくないことですね。
そんなこんなで私は子供被災者支援法で、移住するお金を保証したりや健康診断をちゃんとすべきと思いますが、復興庁はめんどくさがっています。

しかしそれ以前に放射能を出した東京電力が汚染をしたはずなのに、金もちゃんと支払ってない問題があります。
これはれっきとした法律違反です。
東京電力がこのまま経営を続けてよいのか。
それを放置して何兆もお金を税金から支払う政府が妥当なのか考えてみたいですね。
瓦礫除染はセットの政策でしたがそのいずれも綻んでいます。

報告書は除染費用について、国が東電に請求 した403億円のうち、回収は67億円にとど まると指摘した。ただ、東電は、除染で出た土 を保管する仮置き場の設置費などを「除染費用 に含まれるのか明確でない」として支払いを保 留し、国にも一定の負担を求めている。東電に 理解を示す経済産業省財務省と協議を始めた が、財務省は反発している。

国は除染費用として2013年度までに約1 兆3000億円を計上した。除染で出た土など を保管する中間貯蔵施設の計画が具体化すれ ば、費用は1兆〜2兆円膨らむ可能性がある。 法律では「(東電は)請求があった時は速やか に支払うよう努めなければならない」と定めて いる。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20131017-OYT1T00360.htm

さらに滋賀県への不法投棄も。

福島避難区域の放射能木材チップが琵琶湖に放置事件!「東電・東大・元官僚がらみ!」鹿児島にも堆肥として出荷!チップから2千〜3千ベクレル/kg検知! - 涼のブログ - Yahoo!ブログ http://blogs.yahoo.co.jp/ishikawaryou1/10232933.html

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瓦礫よりもっと放射能汚染された除染廃棄物が福島県で次々燃やされつつある。

除染すればするほど、焼却灰や廃棄物が問題になり国は住民の意思とかかわりなく焼きたがってます。

鮫川村で爆発がありました!

福島県鮫川(さめがわ)村で起こった仮設焼却 施設の爆発事故について、筆者なりに何度か 報じた。

福島・鮫川村の仮設焼却施設で爆発

福島県の仮設焼却施設で爆発事故、「連絡 ない」と住民抗議(オルタナ)

福島・鮫川の焼却炉爆発事故−二重のマ ニュアル違反、警察・消防にも通報せず

福島・鮫川村の焼却炉爆発——二重のマ ニュアル違反、警察・消防にも通報せず(オ ルタナ)

1キロ当たり8000ベクレルを上回る放射性 物質を含む高濃度の除染廃棄物などを燃や し、体積を減らす「減容化」の処理を確立す るため、環境省が地域の反対を押し切って 造った実証実験施設だ。

「絶対安全」を強調していたにもかかわら ず、本格稼働からわずか11日目に事故は発 生。二重の運転マニュアル違反があった上、 現場から警察、消防への通報もなく、住民は 「あまりにずさん」と猛反発、施設は今もス トップした状態だ。

そのさなか、環境省は同県飯舘(いいたて)村 に同様の施設を本格建設するための入札を平 然と実施、これに鮫川で事故を起こしたプラ ントメーカーが参加した疑いがある。

あまりにも住民の安全を軽視した対応では ないだろうか。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/taketosekiguchi/20130920-00028249/

河北新報 東北のニュース/相馬で発生の除染廃棄物 がれき焼却炉で処分へ http://www.kahoku.co.jp/news/2013/10/20131008t63018.htm @kahoku_shimpoから

飯舘に焼却施設 除染廃棄物 広域処理、県北の汚泥も | 県内ニュース | 福島民報 http://www.minpo.jp/news/detail/2013101011416 @FKSminpoから

置場所がなく苦肉の策に出ています。

焼却灰からセシウム分離 県とIAEA 来年中にも実証実験 | 県内ニュース | 福島民報 http://www.minpo.jp/news/detail/2013101411486 @FKSminpoから

焼くのを諦めて移住したいかたに移住していただくオプションを意地でも取りたくないみたいです。
むろんふるさとを奪われた方の悲しみはあまりあります。しかし被曝を国は放置していいのでしょうか?
被曝を国に放置させないことは反原発の課題だと思います。

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環境省にこのまま規制をまかせてよいのか?

上に見た現状を見る限り放射能環境省が適切に管理できるか不安でなりません。市民の出した様々な提案や疑問を無視せず放射能汚染を直視してもらいたいと私は考えています。

飯 舘村などで計画されている放射性廃棄物の焼却 減容化施設の安全性を考える市民団体主催の学 習会が20日、郡山市内で開かれた。講師の廃 棄物処分場問題全国ネットワーク共同代表の藤 原寿和さん(東京都公害局=現環境局=元職 員)は、処理施設の設置基準自体に疑問を示す とともに、焼却によって放射性物質だけでなく ダイオキシン類などの毒性物質が飛散する危険 が高まると警鐘を鳴らした。

環境省は「処理施設での追加被曝(ひばく) 線量が年間1ミリシーベルト以下になるように 安全に管理する」としている。が、藤原さんは 「1ミリシーベルトを『安全値』のように扱う こと自体、問題だ。少なくとも、追加線量では なく総被曝線量とすべきだ」と強調。排ガスに 含まれる粉じんを取るバグフィルターについて は、破損や焼損、目詰まりといった事故が多発 していることを挙げ、「信頼性がない」と指摘 した。

また、鮫川村の仮設焼却炉が爆発事故を起こ したように、金属まで溶かしてしまう最新の高 温溶融炉などでも爆発や火災事故が相次いでい ることも報告。「焼却しなくても減容化できる 技術は数多くあるのに、検討さえされていな い」と行政の姿勢を批判した。
http://www.asahi.com/articles/CMTW1310200700003.html