細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

秘密保全法について以前書いたもの


1.

秘密保全法案は、守るべき国家や国民の安全 に関する厳密な規定に欠け、その立法の狙い とは反対に国民の知る権利やプライバシーに 関する権利を侵害し、民主的な社会の自由な 表現や活動を脅かす恐れがある。故に秘密保 全法案に反対する。

2.

・「3その他(1) 拡張解釈の禁止に関する規定 本法の適用に当たっては、これを拡張して解 釈して、国民の基本的人権を不当に侵害する ようなことがあってはならない旨を定める。 」 とある。その他という位置で示されるように 国家の安全とは、国民の基本的人権より上位 に来るもののように、法案が書かれている。 国家の安全とは、国民各位の基本的人権の保 障から成り立つものであり、人権を大切に 扱わないで、自由な国家、社会の建設はできないのである。誠に転倒した法案と言わねば ならない。 また、拡張解釈という言葉も何をもって基本 的人権を棄損する拡張解釈かという規定が示 されていない。示されていないからには、い かようにも法の運用が可能になりかねない。 ずさんかつ不親切で危険な法案概要である。

・次に法案概要の「1.趣旨」にも批判があ る。例えば近い例で言うならば、イラク戦争 でアメリカがイラク大量破壊兵器保有を理 由として、アメリカがイラクに武力侵攻をし たことがある。アメリカと世界の安全保障 上、重大な脅威であるとしてイラク攻撃が行 われたがついに、大量破壊兵器が発見される ことはなかった。 つまり今回国家の安全を守るための特定機密 は、この例でいえば、アメリカの機関による 大量破壊兵器の捜索や物証ということにな る。しかし、これらはすべて虚偽であった。 ならば、反対に秘密を保持することにより、 誤った目的で戦争が始められるということに なる。 つまり、国家が誤った機関決定をした場合、 無駄な戦費、兵士の死亡、攻撃相手国への人 的被害は莫大である。 国家の機関決定は誤りうるという前提にたっ て、むしろ国民と情報を共有して国難にあた ることが、国や国民の安全を守ることであ る。かつての太平洋戦争、今回の原子力発電 事故など国家が肝心の情報を秘匿して、限ら れた国家行政官で決定して被害を拡大した例 は枚挙にいとまがない。 それらの歴史的な教訓を踏まえた法律の趣旨 ではなく、ぼんやりした安全保障という言葉 で法律の趣旨が語られている。凡そ慎重さと 哲学をかいた趣旨で大切な情報を規定できる 法律案とは考えがたい。

・(1) 行政機関における特定秘密の指定等 特定秘密とは何か。テロや海外からの諜報活 動を想定していることは伺えるが、およそ何 から何までが秘密であるかわからず、国内外 の市民の表現の自由や行政への異議申し立て や情報公開を阻害する恐れがある。関係省庁 の規律を変更するだけで対応できないのか。 国家の安全保障の名を借りて行政すべてに網 をかけることによって、国民参加の行政が難 しくならないか。疑問は尽きない。

・(3) 適性評価の実施 この適性評価は、公務員自体の身上やプライ バシーを侵害しないか、大変問題のある規定 である。

パブリックコメントの期間が短すぎる。 二ヶ月は用意すべきである。またたくさんの 貴重なパブリックコメントが寄せられても、 結果的に国民の意見が反映されているとはい いがたいケースをまま見かける。しっかり反 映させられるようパブリックコメント制度の 抜本的改善も視野に入れなくてはならない。

3.結論

このような不完全かつ不当な規定を盛り込ん だ秘密保全法案は国家国民の安全を守るどこ ろか破壊する危険性がある。法案の提出を中 止すべきである