細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

市民社会の危機ー科学者と市民のつながりは?

おじいさんやおばあさんに学ぶこともあります。私は市民運動をやりながら、此花区のおじいさんやおばあさんにたくさん教えてもらいながら公害の歴史を学びました。
宇井純原田正純も公害の社会的科学的インパクトをそうして記述した。
https://twitter.com/toruoga0916/status/340654558567100416
市民は無知だとしても単なる説得や啓蒙の相手ではありません。
生きた証言者であり日常の思索遂行者です。


宇井さんの適正技術への眼差しは
あるいは自主講座はそうした多様な市民の参加を糧に
しました。
そこに荒畑寒村!まで参加したとかしないとか。

四日市の公害問題で自主学習会をしたごみと現代社会の関わりを研究した吉村功さんもそうです。
生活者や町で働く人や学生と公害でなくなりつつある方と学びました。
阪大の植村振策さんも、ダイオキシンや農薬散布の批判で活躍したあと
高槻市で市民講座し、市民や議員と話し合いながら行政に
働きかけました。


公害運動や障害者運動は
ストリートというか町で具体的な問題をまず市民が討議し
専門家が教えたり説得するだけでなく
市民のローカルな知恵を軸にあるときは
市民が命を懸けてそこに専門家もならびました。

もちろん行政や政治家は聞き入れたり企業の力に
負けたりしました。
しかし、数少ない政治家であっても
危機を感じ、70年代は公害国会ができ
公害対策や環境政策基本法ができました。

それは不十分であり公害もやがて忘れられました。
複数原発事故で専門家や市民活動家が反対しても
福島の大事故が起きてしまい、原発事故被災者生活支援法も
実施されていません。

放射能問題にビビッドに反応したのは市民でもあります。
彼や私たちは専門家の罵倒に涙を飲みながら活動しています。
市民活動のすべてが偉いわけでもなく
無知な市民もいます。
しかし市民は例え専門知識を活用し政治に参加する
権利があります。
ガタリチョムスキーはそういう要求が民主主義の根幹であり
対抗の源泉であると知っています。
哲学者の加藤尚武さんは早くに原発事故への考察を書きました。
西谷修さんや内田樹さん、平川秀幸さん、尾内さん、調さん、林衛さん、経済学者では下地正樹さん、
生命倫理の野崎泰伸さんも頑張っています。中では私は平川さんや下地さん、野崎さんなどとお話をしたことがあります。関西で近いこともありますが。

ドイツでは原発災害についてベックやヨナスが書いています。
彼らがいなければ脱原発はできたのか?

原発事故は社会の国策を揺るがす大惨事であらゆる分野の研究者が
国際的に合意のある低線量へのLNTによる予防的対応が必要です。

原爆については一ミリシーベルトから労災は白血病に関して
年五ミリシーベルトが救済対象です。

皆さん既存の法令からの変更になぜ違和感を持たないのか。

無知なおじいさんやおばあさんを
説得の対象と見なす前に
スタンダードな対策、特に公害対策に学んだ
予防的、国家や企業の責任の明確化を含んだ対策をいうべきです。
除本理史大阪市大教員による原発賠償システムの問題の
指摘も
宗教学者島薗氏の放射能安全説への詳細な批判活動もあります。

市民社会は大部分、市民で構成されいうに言われぬ
葛藤を抱えています。
社会学者栗原彬さんの水俣証言録もあります。
チェルノブイリ被災についてフェミニスト
中山茂の門弟の科学史家綿貫礼子さんの大切な本もあります。
西淀川大気汚染訴訟やアスベスト問題をフォローする
環境経済の宮本憲一さんや
放射能や環境汚染に提言を続ける
畑明郎さんや熊本一規さんもいます。
このおふたりにも学ばせていただいています。

瓦礫反対では海老澤徹さんや
分子細胞学の大和田先生や元京大で環境毒性研究の
石田先生にも学び、記者会見もブログにしました。

私たちは共に、考えるためにいます。
単なる研究対象でも、説得の対象でもない。
科学者は研究が仕事です。
しかし市民社会を変えるためにもまた研究はあると思います。
私たちもたくさんのことをまなびたい!

ハーバーマスがグローバル資本とテクノクラート
結び付き、市民より資本よりの意思決定に荷担していると
今年の世界哲学会議で厳しく批判しました。

乱筆乱文ですが地殻変動は起きつつあります
自然科学者も社会科学者も私たちのそばに来てほしい。
原発事故など国の危機はめじろ押しです。
かつて柳田国男は貧しい人々のために農政学を志しました。

それは単なる俗情との結託ではなく
エティクスです。
基本的人権の危機と向き合ってください。
被曝改憲グローバル化もそれが一番です。
私はそう感じています。

偉そうかもしれませんが呼び掛けです。
失礼しました。