細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

生きている実感という罰を食らったほうがいいな。

 人間について考えていると、自分は人間だと何故思っているのだろうと根本的な疑問が出てきてしまうが、本当にそうね。私はなぜ自分を人間だと思えているのかしらね。
 それはそういう仲間から教えられ、埋め込まれた何らかのコードがあるからね。君は人間だよ、人間というのの仲間なんだ、人間の定義の中身は不確かだが君は僕たちの仲間だよetc...

 人間にあるのは、人間という呪文かもしれないね。そういう呪文がDNAのどのあたりに書かれているのやら。

 そういう意味では先に意味があり、文字があり、その文字が人間を強く縛っているのかもしれないね。

 原発が爆発して放射能が北半球や太平洋に降り注いで、僕は自分が人間であることの悲しさを思ったね。そらミジンコや小さな魚には放射線は脅威だろうね。
 だけど人間はもう少し大きい塊だからね。もう少しややこしい苦しみ方をするよ。社会とか生命保険もあるからな。

 まあ今日は放射能のことはやめだ。まあやめだといっても、そういうわけにもいかないんだけどね。宇宙の諸力、わが文明の破たん、おお放射能だという感じではないか。

 自分がこういう世界で生きる運命について考えるね。

 自分はこんな世界が怖くて嫌で仕方ないね。

 放射能を埋め込まれるのが、自分の身がいじめられるのがとても嫌だね。

 受け入れるなんて考えはないよ。

 しかしただ僕はこういう世界を生きてしまっている。

 僕には子供がいない。

 なぜか世界のことを考えると、子供のことを考えてしまう。子供がいないのに。

 それは世界の無力にさらされるとき、自分は子供の時代に戻るからじゃないかなと思うのだ。
 僕は原発が爆発する前から、世界に対してちっぽけだった。
 日本という国は平気で人を殺して金も払ってやらないひどい国だ。
 おまけに水銀を流して悪いんでっかと言ってきた国だ。

 それが僕の生きてきた国だ。

 それが今壊れようとしている気がするな最悪の形で。

 もう少し若ければ国などというものは考えなかった。バカな大人は死ねと思えた。
 しかし今そういうと自分も馬鹿な大人の中に入ってしまう。
 だから、自分はみっともないなりに何かしたんだと思いたくて、罪の感覚から逃れたくて、社会運動に顔を出したりしているんじゃないかとすら思ったりもする。

 でもしんどいなりに意外と楽しかったりもして。


 僕はだけど、自分が大人でありおっさんであることに、しっくりは来ていない。もうすでに40前だからほぼ手遅れで疲れると奥歯まできしきしするよ。

 歯磨きもしなきゃいけない。丁寧にね。昔はそんなことしなくても歯はあまり痛くならなかった。
 こんなことを考えたくなかったし、自分は実は今すごく若さみたいなものが出てきているような気がするときもあるけど。

 青春みたいな感じになるときもあるな。甘酸っぱいね。でその後おっさんとしての疲労も出てくるんだけど。

 そういう自分がバカな大人なんだろうな。
 大人には全くなれていないしダメダメだからもう本当に恥ずかしい。
 
 人間って恥ずかしいね。もっと恥じるべきや。恥ずかしいことをいっぱいして生きている実感という罰を食らったほうがいいな。