細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

国連人権理事会「日本政府に対して、健康調査を放射線汚染区域全体において実施することを要請いたします」

以下は福島の事故に関して初めて、健康福祉的な総括的な報告が行われたものとして、医療や情報へのアクセス権、政治的な参加の権利までも含めて日本政府の原発事故対応のいびつさに強く踏み込んでいる内容ですので是非読んでもらいたい。

いつもOHCHAは頑張っているんです。国連の中の癌はIAEAです。


達成可能な最高水準の心身の健康を享受する権利に関する
国連人権理事会特別報告者
アナンド・グローバー

Biography of Mr. Dainius Pūras
訪日期間:2012 年11 月15 日〜26 日

安全保障理事会決議 1754 | 国連広報センター

皆様、

原発事故の直後には、放射性ヨウ素の取り込みを防止して甲状腺ガンのリスクを低減するために、被ばくした近隣住民の方々に安定ヨウ素剤を配布するというのが常套手段です。私は、日本政府が被害にあわれた住民の方々に安定ヨウ素剤に関する指示を出さず、配布もしなかったことを残念に思います。にもかかわらず、一部の市町村は独自にケースバイケースで安定ヨウ素剤を配布しました。

はい、残念です。

災害、なかでも原発事故のような人災が発生した場合、政府の信頼性が問われます。従って、政府が正確な情報を提供して、住民を汚染地域から避難させることが極めて重要です。しかし、残念ながらSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)による放射線量の情報および放射性プルームの動きが直ちに公表されることはありませんでした。さらに避難対象区域は、実際の放射線量ではなく、災害現場からの距離および放射性プルームの到達範囲に基づいて設定されました。従って、当初の避難区域はホットスポットを無視したものでした。これに加えて、日本政府は、避難区域の指定に年間20 mSv という基準値を使用しました。これは、年間20 mSv までの実効線量は安全であるという形で伝えられました。また、学校で配布された副読本などの様々な政府刊行物において、年間100 mSv 以下の放射線被ばくが、がんに直接的につながるリスクであることを示す明確な証拠はない、と発表することで状況はさらに悪化したのです。

原子力災害において必要な避難対応の多くがなされていないのですね。

ここで思い出していただきたいのは、チェルノブイリ事故の際、強制移住の基準値は、土壌汚染レベルとは別に、年間5 mSv 以上であったという点です。また、多くの疫学研究において、年間100 mSv を下回る低線量放射線でもガンその他の疾患が発生する可能性がある、という指摘がなされています。研究によれば、疾患の発症に下限となる放射線基準値はないのです。

残念ながら、政府が定めた現行の限界値と、国内の業界安全規制で定められた限界値、チェルノブイリ事故時に用いられた放射線量の限界値、そして、疫学研究の知見との間には一貫性がありません。

健康被害を低線量域で否定する見解を取ったのですが、それはチェルノブイリの時との対応とも、低線量でも影響があるとする多くの疫学研究とも矛盾して破たんしている。

これに輪をかけて、放射線モニタリングステーションが、監視区域に近接する区域の様々な放射線量レベルを反映していないという事実が挙げられます。その結果、地元住民の方々は、近隣地域の放射線量のモニタリングを自ら行なっているのです。訪問中、私はそうした差異を示す多くのデータを見せてもらいました。こうした状況において、私は日本政府に対して、住民が測定したものも含め、全ての有効な独立データを取り入れ、公にすることを要請いたします。

まともに測れてない。住民からこれ低すぎる、嘘じゃないかと思われているよと国連は指摘していますね。

健康を享受する権利に照らして、日本政府は、全体的かつ包括的なスクリーニングを通じて、放射線汚染区域における、放射線による健康への影響をモニタリングし、適切な処置をとるべきです。この点に関しては、日本政府はすでに健康管理調査を実施しています。これはよいのですが、同調査の対象は、福島県民および災害発生時に福島県を訪れていた人々に限られています。そこで私は、日本政府に対して、健康調査を放射線汚染区域全体において実施することを要請いたします。これに関連して、福島県の健康管理調査の質問回答率は、わずか23%あまりと、大変低い数値でした。また、健康管理調査は、子どもを対象とした甲状腺検査、全体的な健康診査、メンタル面や生活習慣に関する調査、妊産婦に関する調査に限られています。残念ながら、調査範囲が狭いのです。れは、チェルノブイリ事故から限られた教訓しか活用しておらず、また、低線量放射線地域、例えば、年間100 mSv を下回る地域でさえも、ガンその他の疾患の可能性があることを指摘する疫学研究を無視しているためです。健康を享受する権利の枠組みに従い、日本政府に対して、慎重に慎重を重ねた対応をとること、また、包括的な調査を実施し、長時間かけて内部被ばくの調査とモニタリングを行うよう推奨いたします。

山下を首にして、全部やり直せということでしょうか。わかります。

自分の子どもが甲状腺検査を受け、基準値を下回る程度の大きさの嚢胞(のうほう)や結節の疑いがある、という診断を受けた住民からの報告に、私は懸念を抱いています。検査後、ご両親は二次検査を受けることもできず、要求しても診断書も受け取れませんでした。事実上、自分たちの医療記録にアクセスする権利を否定されたのです。残念なことに、これらの文書を入手するために煩雑な情報開示請求の手続きが必要なのです。

自分の子どもの健康検査の結果を見れないっておかしいじゃないということですね。わかります。おかしいですから。

報道関係者の皆様、

日本政府は、避難者の方々に対して、一時避難施設あるいは補助金支給住宅施設を用意しています。これはよいのですが、 住民の方々によれば、緊急避難センターは、障がい者向けにバリアフリー環境が整っておらず、また、女性や小さな子どもが利用することに配慮したものでもありませんでした。悲しいことに、原発事故発生後に住民の方々が避難した際、家族が別々にならなければならず、夫と母子、およびお年寄りが離れ離れになってしまう事態につながりました。これが、互いの不調和、不和を招き、離婚に至るケースすらありました。苦しみや、精神面での不安につながったのです。日本政府は、これらの重要な課題を早急に解決しなければなりません。

報道にもバリアフリーとか無茶苦茶なのに、なんで取材しないのかと怒っているとも取れますね。わかります。ひどいです。

食品の放射線汚染は、長期的な問題です。日本政府が食品安全基準値を1kgあたり500 Bq から100 Bq に引き下げたことは称賛に値します。しかし、各5県ではこれよりも低い水準値を設定しています。さらに、住民はこの基準の導入について不安を募らせています。日本政府は、早急に食品安全の施行を強化すべきです。

また、日本政府は、土壌汚染への対応を進めています。長期的目標として汚染レベルが年間20 mSv 未満の地域の放射線レベルは1mSv まで引き下げる、また、年間20〜50 mSv の地域については、2013 年末までに年間20 mSv 未満に引き下げる、という具体的政策目標を掲げています。ただ、ここでも残念なのは、現在の放射線レベルが年間20 mSv 未満の地域で年間1mSv まで引き下げるという目標について、具体的なスケジュールが決まっていないという点です。

食品安全基準は私も不安です。

また、日本政府は、全ての避難者に対して、経済的支援や補助金を継続または復活させ、避難するのか、それとも自宅に戻るのか、どちらを希望するか、避難者が自分の意志で判断できるようにするべきです。これは、日本政府の計画に対する避難者の信頼構築にもつながります。

「全ての避難者に対して」といっていますね。これは自主避難者も含むのか。前段の議論を含めるとそうも取れますが。

訪問中、多くの人々が、東京電力は、原発事故の責任に対する説明義務を果たしていないことへの懸念を示しました。日本政府が東京電力株式の大多数を所有していること、これは突き詰めれば、納税者がつけを払わされる可能性があるということでもあります。健康を享受する権利の枠組みにおいては、訴訟にもつながる誤った行為に関わる責任者の説明責任を定めています。従って、日本政府は、東京電力も説明責任があることを明確にし、納税者が最終的な責任を負わされることのないようにしなければなりません。

農業被害、経済被害、健康被害瓦礫焼却、これらすべてはまず東電がちゃんと真面目に向き合わないと国際的に認められている汚染者負担原則を果たせないでしょうということです。

「日本政府は、東京電力も説明責任があることを明確にし、納税者が最終的な責任を負わされることのないようにしなければなりません。」
日本政府さんばれてます。つけ払いさせているのばれてます。

訪問中、被害にあわれた住民の方々、特に、障がい者、若い母親、妊婦、子ども、お年寄りなどの方々から、自分たちに影響がおよぶ決定に対して発言権がない、という言葉を耳にしました。健康を享受する権利の枠組みにおいては、地域に影響がおよぶ決定に際して、そうした影響がおよぶすべての地域が決定プロセスに参加するよう、国に求めています。つまり、今回被害にあわれた人々は、意思決定プロセス、さらには実行、モニタリング、説明責任プロセスにも参加する必要があるということです。こうした参加を通じて、決定事項が全体に伝わるだけではなく、被害にあった地域の政府に対する信頼強化にもつながるのです。これは、効率的に災害からの復興を成し遂げるためにも必要であると思われます。

弱者が参加できないのはもうね、これ話にならんですよ。

この点について、東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」が2012 年6 月に制定されたことを歓迎します。この法律は、原子力事故により影響を受けた人々の支援およびケアに関する枠組みを定めたものです。同法はまだ施行されておらず、私は日本政府に対して、同法を早急に施行する方策を講じることを要請いたします。これは日本政府にとって、社会的弱者を含む、被害を受けた地域が十分に参加する形で基本方針や関連規制の枠組みを定める、よい機会になるでしょう。

子供被災者支援法にも言及しています。