細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

1分でわかるがれき広域処理の問題点

いいですか。
瓦礫処理は被災自治体と受け入れ自治体に生じた経費に対して国から、補助金が降りるということです。請求は受け入れ自治体→搬出自治体→国、補助金の交付は、国→搬出自治体→受け入れ自治体。業者に頼めば業者、自治体が事務や焼却をすればその分のコストは国の復興予算から支払われます。
得するのは搬出と受け入れの自治体と業者であり、便宜を図った政治家です。被災者や受け入れ側市民ではありません。
だから誰のための絆か考えたらすぐわかるのです。
そのために特措法で極低濃度の放射性廃棄物なら全国どこでも燃やせるような暫定的な「読み替え*1」まで行っています。なぜなら全国の自治体、産廃業者の処分場では放射能は廃掃法2条1項*2で扱えないからです。(もちろん汚染地域での暫定的な緩和は致し方ないのですが全国ではどうなのか)


 2000万トンのがれきが出ましたが、昨年末から今年の春にかけ放射性物質やコスト、被災者支援として必要なのかという全国自治体からの異議が噴出。環境省は数十億の広告費で広域処理の大宣伝を行いました。しかし、今年の5月に最初に想定したより3〜4割も瓦礫が少なかったことが判明。この時点で全国広域処理は辞めるというべきでした。
なぜなら環境省も政府も域内での処理復興を前提とし無理な分はお願いするということでしたが広域処理分として設定した量は消えてしまったからです。
宮城では東松島や仙台をはじめ、県内処理をコストを抑えて迅速に行い、雇用も生み出す仕組みを作りました。岩手県は沿岸は小自治体が多かったが、それでも不燃の津波堆積物100万トンなどは無害化処理をして埋め立て資材に使う、また可燃がれきに関しても防潮林などに使う構想・実践が生まれています。

しかし1兆円の予算を来年減らされたくない環境省は、北九州や大阪、北陸といった遠隔地の運搬費用が掛かる自治体を選んで広域処理を年内に行うよう圧力をかけました。そうすると儲かるのは被災者以外となり瓦礫処理の仕事すら奪っていくようになってしまいます。先般鹿島JVと宮城県の処理契約変更の際にも、瓦礫総量の55%が減少し、津波堆積物は85%減っています。鹿島管轄地域のガレキはそれでも北九州へ運ばれ、岩手宮古地区も鹿島管轄なのですが、それは大阪市に運ばれました。
大阪府はそのためになんと50億の予算を組み。さらに関西地域の運送会社に運搬を頼みました。環境省は低レベルの汚染廃棄物を来る廃炉ラッシュにそなえて捨てる準備でもしたいのでしょうか?(持ってくる瓦礫が低濃度でも、基準値が2000㏃まで行けるので将来的にそうなる可能性はあります)

被災者は移住や生活支援のお金の分が瓦礫処理の無駄な広域移動処理で削られ現地復興や移住のニーズは無視されます。つまり被災地外の復興予算流用です。

受け入れ側自治体の市民は、健康不安を追加され勝手に自分の自治体の最終処分場に放射能汚染灰が埋められます。

そして環境省をはじめ搬出自治体も責任を取らず受け入れた自治体が何らかの事態が生じた場合責任をとらねばなりません。
答え:何が復興被災者支援だ。嘘じゃないか。市民の負担*3でつけ回しするのもいい加減にしろ!!東電が悪いんだろが被災者支援に何故お金を回さないのだ(放射能汚染対処特措法*4では東京電力が廃棄物に限らず、ありとあらゆるものを汚染した責任=汚染者負担原則(OECDが提唱した公害事件の時には汚染物質の排出者責任を問うべきというもの)が問われていません。*5

*1:第二十一条対策地域内廃棄物であって事故由来放射性物質により汚染されていないものについては、廃棄物処理法の規定は、適用しない。第二十二条廃棄物処理法第二条第一項の規定の適用については、当分の間、同項中「汚染された物」とあるのは、「汚染された物(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十号。以下「放射性物質汚染対処特措法」という。)第一条に規定する事故由来放射性物質によつて汚染された物(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)又は放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和三十二年法律第百六十七号)の規定に基づき廃棄される物、放射性物質汚染対処特措法第十三条第一項に規定する対策地域内廃棄物、放射性物質汚染対処特措法第十九条に規定する指定廃棄物その他環境省令で定める物を除く。)を除く。)」とする。http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H23/H23HO110.html

*2:(定義)第二条この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。

*3:(汚染廃棄物等の投棄の禁止)第四十六条何人も、みだりに特定廃棄物又は除去土壌(以下「汚染廃棄物等」という。)を捨ててはならない。→放射能汚染対処特措法ではこの廃棄物の汚染原因をつくった東京電力の責任が問われていません

*4:放射能汚染対処特措法(原子力事業者の責務)第五条  関係原子力事業者は、事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関し、誠意をもって必要な措置を講ずるとともに、国又は地方公共団体が実施する事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関する施策に協力しなければならない。→この規定が十分なものと誰が思うでしょうか

*5:(関係原子力事業者による廃棄物の処理等)第九条事故に係る原子力事業所内の廃棄物の処理並びに土壌等の除染等の措置及びこれに伴い生じた土壌の処理並びに事故により当該原子力事業所外に飛散したコンクリートの破片その他の廃棄物の処理は、次節及び第三節の規定にかかわらず、関係原子力事業者が行うものとする。→敷地内だけでいいらしいです