細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

市長の震災がれき答弁を考える・2(web編)

橋下市長の震災がれき答弁を考える・1 - 細々と彫りつけるの続きです。

ツイッターで話してくださった。
市長直々にお答えいただいた。自分なりに拾ってならべてみた。







































一時は脱原発を唱え
国政進出も目される
西日本最大の都市の首長と人々の被ばくリスクについての対話を
ご紹介した。
僕の編集は僕なりの視点に多分に偏っているだろうから
他の人はそれぞれ市長と市長に返答した様々な人々のツイートを
確認し考察を深めていただきたい。



以下は僕の意見を述べたものである。
賛同できない方もいるだろうと思って書く。
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僕が強調したい点は一点で
「しなくていい被ばく・有害物質の曝露はさせない」
ということ。
東北や関東で放射性物質の影響を日々受ける人々の
被ばくについて
それが東京電力と政府による過失による被害であるということを
強調したい。
日本国民には
憲法で健康に生きる権利が保障されているのだから
被ばくを避けたい人の避難を優先させ
リスクについて受忍するという意志のある人々が
まず汚染地域に残ることができる。
そこから復興を始められる、そこからじゃないと誰も納得して復興できないだろうという思いだ。

さらにその復興においても瓦礫を焼却するよりも
防潮林にしたり
津波記念公園にする動きがある。日本は焼却主義が行き過ぎている。
いかに高性能の炉であっても
フィルターなどで不測の事故はありうるし普段から報告されており
スクラバー排水はもちろん汚水になってしまう。

さらに岩手県から大阪市が引き受けるがれきについても
まだはっきりした情報が全く公表されていない。

わかることは岩手の港から
大阪まで運ぶ業者は民間委託で
大阪から運んでさらに選別するのも民間委託で
清掃工場まで運ぶのも民間委託である。

此花区の海からの風は内陸の市内に向かって吹いており
また南の泉南地域に向かっても吹いている。

幸いにして被ばくを少ししか受けなかった地域の人々に
被ばくの機会を増やすなというだけの話が市長には伝わらない。
被ばくの量の問題ではない。
「強いられたくない」といっているだけだ。

なぜ一つの意見としてでさえ反対派が述べるロジック・主張も真剣に
検討してくださらないだろうか。これは公衆衛生や環境問題でもある。

大阪市の議会には
廃棄物の問題に詳しいジャーナリストの山本節子氏や
日本環境学会の前会長で、此花区などで重金属の土壌汚染を調査した
畑明郎氏や
琉球大学名誉教授で物性物理学専攻、さらに被曝者認定訴訟を支援し
内部被ばくについて発言し続ける矢ヶ崎克馬氏の陳情書
などが集めらている。


数百キロ離れた大阪に大量の国費を使って
わざわざ汚染されている懸念のある物質を大量に移動させる
ということはふつう産業廃棄物の世界でもなかなか許されないことらしい。
(例え暗黙でやっているとしても法令上は再々委託が禁止されていたり
専用の許可や免許があり、今回は自治体がやる事業としては
大がかりすぎるし復興に寄与できるかも疑わしい)
中越沖地震の時も神奈川県が新潟県のがれきを支援したが
新潟県の担当者が「コストがかかる」といったのを
知事が「せっかく支援してくださるからお願いしよう」といったそうで
その新潟県知事は今回の環境省主導のがれき処理には
反対しているし環境省に痛烈かつ本質的な質問書を送っている。
これらに答えられるだけの
がれき処理のスキーム、汚染物質の拡散注意の
体制を作らないと日本は未来に禍根を残すから
新潟県知事は環境省に質問をしているのだと思っている。


橋下市長は市民や府民以外が反対していると
まるで大阪湾に連なる他の自治体住民が懸念を持ってはいけないかのような
発言をしている。
また市民や府民に反対者がいるのは私自身もそうなのだから
全くのデマである。


11月に試験焼却が迫っている。
大阪や日本の未来は暗澹たるものだと慨嘆せざるを得ない。

橋下市長の政治姿勢に強い懸念を持ち
その決定過程、がれき処理の再検証・再検討を
お願いしたい。
またこのように公論することによって
政府の見解に反対するものも含めた
様々な意見の存在を認めあうこと
それが今後の日本の民主主義を強くすることを
このブログの読者諸賢にも強く訴えるものである。

今後ともよろしくお願いします。