ここひと月で読んだ本3冊はいずれもルポだった
その三冊はいずれもルポだった。
- 作者: 織田淳太郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2011/07/15
- メディア: 新書
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なお私は最近イタリアが80年代精神病患者の隔離政策をやめて協同組合での賃金労働を実現しようと、病者とある男が協力して奮闘した映画を見た。「人生ここにあり」*1 笑いあり涙ありとても見やすい映画だった。イタリアにはバザーリアという急進的な医師がいて、精神病棟の解放全廃を義務付けた法律も「バザーリア法*2」と呼ぶ。これも単純に開放が進んだというのではなく*3、今はベルルスコーニは保守派だし、揺り戻しもあるし、地域ケアの体制を築くのにも大変な努力があるようだ。また、日本と違うのは公立病院が基本らしいこと、つまりたくさんの病床を抱える日本の精神病院は民間も多く、これは政策的に後押しされたようなのだが、大変問題を複雑にしている。つまりベット数を確保するために患者を手放さないという問題があるのだ。ここは経済的にもインセンティブをつけないと人道的な精神医療政策は進まないかもしれないと思ったりする。
良く思うのだが日本も国策としてある時期まで隔離を容認してきたことは間違いなく、それゆえ、例えば北欧のように福祉を普遍化することを国是としていくようにさせなければならないがそうならない。北欧の成功は、北欧の福祉政策が経済政策と一体になって国際競争力を保持したことが見落とされてはならない。つまり人をちゃんと生かすという保証を公的なセクターに約束させないといけないわけである。社会保障単独の問題ではないし、ただ経済を生かすためだけに導入されているわけでもない。そういうことを理解しなければいけない気がしている。
さて、もう一冊は
- 作者: 石神賢介
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/08
- メディア: 単行本
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最後は
- 作者: 広河隆一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/08/20
- メディア: 新書
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- 作者: スベトラーナ・アレクシエービッチ,松本妙子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/06/17
- メディア: 文庫
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この二つを読めば旧ソ連で起きた社会的体制的現実と、資本主義国日本の現状、情報隠匿や官僚の保身などは普遍的な人災に思えてくる。早くそこからひとびとを私たちを救い出さないといけない。