細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

政治がやらなければならない責務(昨日の記事への補足4月6日9時台に追記15時50分改題)

 昨晩焦りや怒りなどもあってあまりにも自明だが大事なことを書き忘れていました。

 現在の政府は、私たちが選出した代表者からなる国会からの信任を受けたものであり、(大変な災害への労苦は充分斟酌した上で)、なおこの国に居留、あるいは居住する人々の生命と安全を守るために、原子力発電事故も含めて、その現状把握、予測や方針、データを十分に隅々まで公開衆知し、それを実行する責務があると思います。

 政府をただいたずらに論難するためだけにいうのではないのです。よく「私たちが選んだ政府だから愚かな政府を責めることは自分に帰ってくる」という言説がございます。私もそういう意味では慚愧の念に堪えません。しかしその位置にとどまって政府のあらゆる対応を肯定していいかといえばそうではない。

 それでは逆に国家や社会全体が大変な目に合う恐れがあります。
それはいけません。
 
 政府にできる限りの対応をしてもらわなければ困ります。そのために皆がどうしたらよいか、批判し提案することで、政府の後手後手の対応(むろんその中には適切な対応も含まれています全部だめだというのではない)も修正される余地があると思うからです。

 私は意図的な隠ぺいももしかしたらあるかもしれないとは思います。推測なのでなんともいえないが。おそらく緊急時でのミスもあったろうし、その反対に政府や原発関連団体の情報開示で有益なものもあったでしょう。それらは今後いっそう適切に修正されるべきでしょう。
 そうでなければ私たちの混乱は深まるばかりです。どれだけ知恵を借りても構わないので今できる対処を試みてください。
 
 今ここで肝心なのはこうです。この国に住まう人々で(被災地の人々はもっとも重大で、それ以外の地域でも輸入規制による暮らしや経済へのダメージや各地域の妊産婦や子供、病者への心理的、肉体的危険、孤立した不安定な人々のリスクなどなど程度の差こそあれ)心理的、社会的、肉体的、経済的危険にさらされています。
 ですから政府が充分に自分たちの作戦や意図、それにまつわるデータをわかりやすく公開する意義がある。そのことで、個々人も不安よりも、自ら判断し現実的な対処行動をすることができます。さらにこの国には赤ん坊から高齢者、様々な障害や困難を持つ人がいます。伝わり方も様々です。その受取りの様々さを一律に「風評被害」と言い切るのは乱暴だと思います。
 むろん悪意のデマは許されるものではありません。ただ、こういう混乱時に情報の経路や受取の混乱は様々な現れをすることがあるのしっておくのは損ではありません。だからこそ一層公共機関やマスコミの情報開示の重要性があるわけですし、それに個々人でいかにアクセスするかということを考えうるのです。
 
 また、ここで私はあえて「国民」と限定しておりませんのは、戦前の関東大震災の混乱の中で多くの朝鮮半島出身者が傷つけられたことへの反省に立つべきだと思うからです。
 現在事後の対応にひたすら追われておる感がございますが、政府におかれましては是非救難とともに、意を尽くして国内の人間にも各国の政府にも一定の責任・保障を負う心づもりと今後できうる対応、情報を意を尽くして説明し行動してほしいと強く希望しています。
 そういう真摯な気持ちを公開の場で伝わる形で、政府が話すことで、国際的にも国内からの支援・協力も、政府はさらに受け取ることができ、今後の人々の生命や安全にも必ず寄与すると思われるからです。枝野官房長官はかなり健闘しておりますが重要なのは各政策責任者と何よりもそれを統括する総理の発言、姿勢です。
 
 非力な一ブロガーですがこれは今言える大切なことだと思い書きました。ずいぶん大所高所より発言しているように見えるでしょうが、なかなか固さがとれなくて。事態は長期化の様相を呈しています。今はただ、事態が着実に改善されることを心から望みながら稿を閉じます。