細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

現代思想を久々に読む

現代思想2010年5月号所収の廣瀬浩司「諸文化を横断する戦闘的な真理−メルロ=ポンティ「制度化」概念と「間文化現象学」」を読みました。感想は今書くのはちょっと体調がしんどいが、フッサールの「目的論」という言葉が興味を引く。メルロ=ポンティは、それを再発見したらしいのだ。諸学や文明の危機において、フッサールは論理学や厳密な哲学的議論を通して、文化を形作ったりそれを破壊しながら進む運動の基点になるような主観性の次元を発見した。それは純粋な意識などと評され評判がわるいが、制度を作り制度から作用を受けて変化する主体として読み直したのがメルロ=ポンティという理解でよいのか。ハイデガーを経由したメルロ=ポンティには、歴史性や今ここに投げ込まれてる存在者という観点があり、フッサールを純粋に還元された意識の発見者としてより、そうして還元することで、取り出そうとするフッサールのプロジェクトに焦点をあてているのか。そこには絡み合いや参加、制度や様々なものを通して生きるものとそこで生きられている具体的な環境や他者をある抽象の次元で問い直すモメントがあるということか。