最近読んだ本、読んでいる本
この本は若い経済学者の飯田泰之が、赤木智弘や湯浅誠といった格差・貧困問題について語る(湯浅の場合運動家として著名)論客にマクロ経済政策(つまり全体の経済を成長させる政策)の必要を説くというアクチュアルな対談集である。
飯田氏の大きな主張の柱は、負の所得税と大型の金融政策(たとえばインフレターゲット)のあわせ技であるように思える。飯田氏の背景には比較的正統的なマクロ経済理論がある。飯田氏は、経済学者にとって「当為」(○○すべき)について応える価値判断が仕事ではない。どちらかといえば政策のリスクや実現可能性をシュミレートするのが仕事だという。
たしかに世の中には「こうすべし」という言説が大渋滞なので、意味のある仕事だと思う。とはいえ、それがどの程度切り離せるものか若干の疑問もある。とはいえ、実践的な仕事分担としてはわかる。右翼でも独自の路線の人、例えば赤尾敏や三島由紀夫の孤立をいとわない先見的な言説には非常に興味深いものを感じた。論理が恣意的にすぎるともいえるし、着想をどんどん書き留めたともいえる本。しかしもう少しで優れた文明評論になる種がいくつもあるように思えた。上坂冬子の死の直後に出た本。買っておいていたが、最近手をつけたらがぜん面白い。鶴見俊輔もたじたじとなるくらい保守の立場から、鋭い疑問を投げかける。それが鶴見の様々な部分を引き出しており、両人のふところの深さを感じさせる。鶴見はここ数年で姉上も含め、都留重人、小田実、筑紫哲也、上坂冬子などたくさんの同輩、仲間を失っているように思える。これらの名前をならべただけで、非常に大きな地殻変動の存在を感じる。
飯田氏の大きな主張の柱は、負の所得税と大型の金融政策(たとえばインフレターゲット)のあわせ技であるように思える。飯田氏の背景には比較的正統的なマクロ経済理論がある。飯田氏は、経済学者にとって「当為」(○○すべき)について応える価値判断が仕事ではない。どちらかといえば政策のリスクや実現可能性をシュミレートするのが仕事だという。
たしかに世の中には「こうすべし」という言説が大渋滞なので、意味のある仕事だと思う。とはいえ、それがどの程度切り離せるものか若干の疑問もある。とはいえ、実践的な仕事分担としてはわかる。
- 作者: 鈴木邦男
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2009/06
- メディア: 新書
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※↓未読了
- 作者: 鶴見俊輔上坂冬子
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2009/04/15
- メディア: 新書
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