細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

「精神」の予告を見て

映画「精神」予告をid:edouard-edouardさんの日記がとりあげていた。
http://d.hatena.ne.jp/edouard-edouard/20090617/1245244319より

http://www.youtube.com/watch?v=JsEIZFwq5pw


これを見て、今通っている病院のデイケアはけっこう静かで平和だなと思う。

かつて北摂のあるデイケアにいたときは「病院爆破する」という人や、めがねが壊れてもテープでつけている人や、地球の自転をとめたことがある人や、昼飯食って将棋だけやる人や依存症で毎朝シアマナイド飲んでいる人がいた。切れてけんかうる人も大人しい人もきれいな姉ちゃんもいた。

みんな面白い人だったのに多くが口を揃えて「オレ頭パーやから」といっていた。
そこの先生はそういう精神病院に長期入院して人生に望みをもてない人を相手にする場合が多いからか僕をみて「きみはバイトくらいできるやろ」といった。それから自分がどんだけ精神病がキツイか訴えるのだが、僕の生意気さもあり先生と話がかみ合わず、果ては、口論が絶えなくなり、日常生活も絶叫したり泣き出す忙しさと両親の苦労があった。これはヤバイので病院を変わることにした。(紹介状ではあまりの先生への批判ぶりに「BPD(境界性人格障害)の疑いあり」と書いてあった模様。人格障害なら治らないのかとその頃は思ってしまい絶望していた。今はそこまで単純に治るとか治らないとかは言いにくいと思っている)


転院した先の先生は、ああこれはいけないということで抗精神剤の処方を決めた。薬剤量は少ないのにかなり効いた。そのうち手が振るえ、口も動きにくいので低い量で薬の調節になった。転院早々、父に医師が説明した状態は「軽躁」状態。明け方までどなってたり暴れたりしてたからだ。先生が僕に説明したその頃の病気のとらえかたは、「躁状態うつ状態の交代があるが、躁鬱病では説明しにくい過度な不安感や思考とか感情の障害がありますね」ということで、それに沿って年金を申請したら障害厚生年金2級だった。今は3級。
kyupin先生の解説が僕の病気の説明としてはわかりいい。統合失調症の人と「幻聴」話でうまくかみ合わないし、自分の元からの身体の疲れやすさ、怒りっぽく情にもろい部分も説明しうる。経過や予後というかそれにいたるスピードも他の精神障害とのちがいがあるようだ。なにしろ知名度の低い病気で人に説明するのがむずい。今は躁や、極度の活動性の低下はほぼなく、抑うつや不安や過緊張がよくなっていってる状況かと。
ウェールズ生まれの|kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
非定型精神病の人の彼氏|kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

まあ暗い話を朝から書いたが、昔のデイケアでも、アルコール依存症のかっこいいおじさんと遊んだり、みんなに将棋をおしえてもらったり、若い子同士で遊びに行ったりしたので悪い思い出ばかりではない。しかし軽そう状態で毎日通って余計神経がくたくたになった。100メートルを歩くのもしんどかった。恐怖やふらふらした感じが襲うのだ。


今のデイケアでも時々人間関係や、職員、それから自分の状況をどう考えるかで混乱するときもある。ただそうした過程で現実をどう受け入れ、ひとと自分自身とで感じ考え行動発言するか練習してるんだと思う。だから5年前の最悪の状態から2年くらいかけて、マシになり受験を考え、そこから2年べんきょうして今年受かったということになるのか。回復がうまくいっているのか、あるいは病気がそこまで致命でなかったのか。

そうじて、マシになってきている。だからこの映像を見て四、五年の自分のいる光景を思い出したんだ。


*映画「精神」のことを知ったのはid:ueyamakzkさんのブログによる。
http://d.hatena.ne.jp/ueyamakzk/20090609/p1