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ふと昔書いた詩のことを思い出した。タイトルは『野原のデッサン』
原文は縦書きです。
野原のデッサン
石川和広少年時代
デッサンだけは好きだった
色をぬると全てだいなしに
なった
中学の教師に
君は色盲ではないかといわれた
色盲検査にはひっかからなかったけど
じぶんの顔や人の顔を
よく描いた
上手とはいえなかったが
そのひとの顔のクセ
や陰影を善意も
悪意もなく
中性に描いていると
自然に悪意や笑い
が にじみだしてくる
ことばも同じだと
今は思う
客観とか一般とかは
出所来歴が不明
上滑りしていくから
そんなのは いやで
なぞってやりたい
強い筆圧がよろしい
ものの形の中に
とじこめられてゆくことへの
逆襲
むしろ
デッサンとは
それ自体広い
野原
だと
思う
野原には よくしらぬ
草花がありその上を
かけてゆく
雲がかげをおとし
しずかにねころんでいると
不意に笑いが
こみあげてくる
こうして私は草の野原にへこみとかげをつけ
…
私は野原のデッサンとなる
存在として
ひろがる宇宙の
一つの線として
野原の陰影となり
緑はしだいに折りかさなり
私は一つの絵として
光景の中に再生する
今日はふだんのしゃべりっぽく書こう。こないだまで国家試験の勉強をしていて
なんだか心が苦しく硬くなってたのかなと思う。この詩、上手下手は別にしてじぶんにはこういうところがあったのだよなと思い出す。
小さい頃よく絵を描いていた。弟と。でもいつのまにか絵を描くよりも本を読んだりするようになってたな。弟は僕よりずっとつづけて絵を描く仕事をしている。じぶんは劣等感もあるけど、絵だけではない言葉独特のなんかそこから穴をあけて生きたいと思ったのやもしれん。
なんか最近ものびのびしていないなあと思う。いや、哲学や様々な社会のことを考えるのは好きなんだ。それは好きでやっとるからまあいいかなと思っている。
ずっと昔は新聞の切抜きまでしていたし。。
けどまあ、ジャンルとか専門性は好きではなかった。抵抗があった正直。というか人間は天然自然でやってたいよなあという気持ちはずっとあったから、そして障害者のひとだってもちろん後天的なものはあるけど、普通に生きているただの人なのは俺らと同じなんだと。いろんな本を読んだけどそう思った。もちろん埋まらない溝もある。けど一緒にご飯食べたり風呂入ったり遊んだり、喧嘩したりして基本的には少しずつのちがいがつみかさなってまるで見た目はおおきな違いになっているのではないかそう思った。友達も出来たし。仕事仲間も面白いひとがいた。俺がそう思っているだけかもしれないけれど。資格なんか俺は嫌いだと豪語していた。ふつうに考えたらあの現場に入って、それだけがちっぽけなメダルみたいに自分の手元に思い出になって残ってて、正直なんか複雑である。
今回国家試験を受けてもし通ったら有資格者になる。だから前の自分とは矛盾している。
矛盾していて、今は困ってないが、でも肩が力みがちだなとは感じている。
力んでいるといちいちイライラしたりして身体や心によくないのだ。ただ勉強して後悔はしていない。昔同僚の先輩が言うていた。「制度の勉強はしたほうがいい」って。そのことが残っている。正直福祉の仕組みは今のお国が作っていて、いろいろ失敗はしている。もうかなりヤバイ。けれど、お役人だって全部が全部日本を滅ぼそうとして全てのシステムを作成しているわけではない。もちろん全然よくないのがかなりある。向こうの流儀に染まる必要はないが彼らだって、一応我々と同じ共同体から出てきているのだから、僕らと共通したところもある。ただ、どこで道がちがってゆくかである。そこが大きいのかな。でもわからん。
仕事していたときバイトから正職員になって勤務も激しかったけれど、自分の中に、負けてはいかん。俺が一緒にグループホームで過ごした○○さんたちのために内部に入って組織を変えんといかんみたいに力んでしんどなってた。(なんか踊る大捜査線みたいでなんかかっこつけすぎやな)
世の中にはじぶんとはちがう考えの人や様々な仕組みがあるのだが
やめてからそれを変えたいとは思うけど正直自分も体力的になんかしんどいと思うようになった。
でも、まだ意趣返ししたいスケベ心もあるのだ。
戦おうとするから意地を張るのだけれど。今は社会に対して身構えているのではないかと思ったりもする。びびっている。だから強がっている。
もうやめて7年。そのあいだ、まあ正直精神病だったしなあ。35か…とか。じぶんなにげにおっさん化してるやん。みたいな。こないだ田舎の法事いったら一番若かったけど。
けど、ホンマはみんなのんびり暮らしたいみたいな思いみたいなのがあって、それがこの詩を思い出した理由かなと思う。だから今度もし資格を持った人として現場に入ることに仮になっても、そりゃ自分も資格持ってるなとか相手も意識はするかも知らんが、それでもある部分は俺の根っこの部分を思い出しながらいかな、またつぶれるわなーと思った。