全体主義おぼえがき
- 作者: 帚木蓬生
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/08
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- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/10/15
- メディア: 単行本
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それから昭和史ものも読んでみたいのだが
- 作者: 保阪正康
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2007/08/07
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たぶん伊坂のものも保阪作品も全体主義に絡んでいるのだが。その辺は知りたいところなのだが。
実は私が読破した哲学書で思い出深いのがレヴィナスのこれ
- 作者: レヴィナス,熊野純彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/11/16
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- 作者: ハンナアレント,Hannah Arendt,志水速雄
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1994/10
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でもリオタールのその先にはお話があって、フランス革命とナチではちがう点があると。それは普遍性が実現されるということへの徹底した疑い・疑心暗鬼がナチにはあると。だから個別性に閉じこもるのではなくて、普遍性を標榜したり目指す運動体の底にはすべて邪まな私利私欲があるとしてそれらをつぶしていく。一方、普遍性を目指すフランス革命そのものがフランス国民というナショナリティに制限されているように、アーリア民族が普遍性を代表する唯一の正当性として受かびあがると。
リオタールは「大きな物語はダメだ」とはどうも言っていない。「こどもたちに語るポストモダン」はどうもそんな感じがします。人類は人権や自由や平等という理念を開発した。しかし、それはあるときは資本主義が利用するし、国家も利用するし、テクノサイエンスも利用する。それはたぶん普遍的な権利や平等と言ったものが非常に規定が困難なものだから、誰でもそれを名乗れる。しかしそれをある特定の誰かが占有してはいかんと。
もちろん権利や自由といったものは、個々人の生活の中で侵害されてはいけないし、実現される必要がある。けれども、それを大括りに語るのではなく細部の具体的な状況の中で見なければならない。私はリオタールの本をそういうふうに読んでいます。今のところは。「大きな物語」がダメとか嫌いではないと思います。というより大きな物語は歴史の中で様々な困難に遭遇し、沈没しかかっている。今までのようなかたちで普遍性を語れるわけではない。もっと別の語りが必要だ。しかし、普遍性ののっとりという形のファシズムに落ち込むとまずい。排除を生み出す。もちろん権利や自由は私たちの暮らしの具体的な生成や消滅と関わっている。そのプロセスを微細に語る必要があるのではないかということでしょうか。そのことでファシズムの出現は地道に防がれるというか。
その際にどうもハーバマスのように討議にそれほど大きな価値を置かないようなんです。それは先も述べたようにリオタールがナチがワイマール憲法下から生じてきたことを重く見ているからのようです。しかしここまで来るとハーバマスもアドルノもちゃんと読んでいないのでまたいつか続きが書けたらいいなと思っています。
とりあえずだいぶ前に買ったこれ読もうかな。
- 作者: ホルクハイマー,アドルノ,Max Horkheimer,Theodor W. Adorno,徳永恂
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/01/16
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日本の戦時体制はまたどうもナチとはだいぶちがうんだよね、きっと。