細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

悪夢についてぐちゃぐちゃと。

 何日か悪夢を見る日がつづいた。数日前、明け方かなあ。また悪夢みたいなものを見たよ。けど、人にいったら悪夢に聞こえぬかも。

 俺は犬を抱いていた。茶と黒が混じった感じのかわいい雑種犬。でも、抱いても抱いても、その犬がずり落ちそうになる。で、そこはエスカレーター。上り。ずるずるするもんだから、苦労して抱いていると、前の若い男二人が振り向いてニヤニヤしている。みっともないというか悪意のある感じで俺と犬の様子をみて笑っている。
 で、エレベーターが進んでいくと、若い男の一人がこうしたほうがいいとか指図をしてくる。けっこう上から目線で。だんだん意地になってきてね、最初は自分でやりますとか返していたんだけれど。
 それで、エレベーターが終わりかけたところで、とうとう俺がキレル。「俺は介護やってたときはなあ、自分と同じくらいの男を抱えて抱っこしてうまく風呂に入れてあげてたんだぞ!!」って怒った。すると、降りて通路を歩いていく男が云ったのだ。「そんな話関心ありませんよ」って。
 それで、頭に血が上って、「うるさい!!」って云ったと思ったら起きた。

 
 そのあとしばらくブルーで、家のものにグダグダいっていたら、家のものが怒り出したりした。夢のことにこだわってどうするって。そうなんだけども。
 そうなんだけど。いろいろまあ介護はしんどくってやめて。けど、もうそれだいぶ前だから、我ながら呆れる。けど、昔話が夢の中の男にかわされてしまうくらいには過去になったとは思っている。だってねえ、たしかになんで犬と人間のってのもあるが、そうじゃなくて実際そんなことで意地張ってどうするって。
 で、病院に行ってそこの職員さんに云ったら「石川さん、社会福祉士の試験のプレッシャーじゃないですか」っていうのだ。まあ、そうかもしれない。介護ではないけど、福祉も体力と精神力がいる。むかし辞めた後同い年の同僚に「石川くんはメンタル面がネックだよね」といわれたこともある。
 まあ、正直、ひつこさでは自慢できるが、忍耐はあんまりないから、福祉って自信ない。まあ、でも受かってないので、まだあれだけど。受からなくてもできるし。
 けれど、前辞めたことがしんどいからって理由だけでは納得できないというかなんかひっかかるというのがあって、そんで、まあ勉強してみようと思ったのです。リハビリのつもりだったんだけど。

 で、針行ったらね、先生が言う。「石川さん、内臓が弱っても悪夢見ますよ」って。で、ひとしきりさっき書いたこといったら、先生は聞いてくれました。で、やっぱりやりたいんですよねと聞かれて「なんかひっかかっているから、なんか知りたい」っていって「でも、僕ひつこいんですよ」っていったら「性格は直らないですけど」って言われたり。
 で、話した。グループホームで介護していてまあ大半は家事や介護による援助をしててもふつうに夜の時間を知的障害者の人とすごす。それは夜勤だからけっこうしんどい。寝れない人もいるから。けど、その人の人生、たとえば親に怒られて調子悪くなる人もいる。それに付き合う。けれど、俺だって立派に生きているわけではないから、悩む。素敵な答えやアドバイスが言えるわけではない。とりあえず、その場その場でマシと思えることをするしかできず大変しんどい。
 そういうと鍼の先生は「でも、それっていい仕事ですよ」といわれて驚いた。
 あといろいろ職場に文句があったですっていうと「石川さんは組織の下にいるのは向いてないかもしれません」って。まあ、たしかに俺生意気でひつこくて人のいうこと聞かないからなと思っていた。そしたら先生が「石川さんは組織を作る人ですね」といわれビックリした。そんなわけねーだろ。

 しばらくして、だんだん悪夢の件はどうでもよくなってきた。で、今日診察に行ったら、精神科の先生が「試験に受からなくたってね、そんなの生き死にの問題じゃないから大丈夫。」「一か八か生きるか死ぬかになるからしんどいわけですよ」といった。それは観念で実際どう生活するかってことが大事なのかなと俺は思った。先生は俺が観念的に勝手にしんどくなるのをよく知ってはるのだ。
 俺が貯金も少ないから働こうかなというと「それは現実問題ですね。全体の生活のバランスが崩れないようにすれば大丈夫だと思います」といった。俺は「体壊したら試験も受けられませんしね」というと、「そうそうバランスが大事です」と先生。

 というか、その前から押井守の本を読んでいてけっこう気が楽になっていたのだけれど。驚いたことは偶然ながら子犬を抱き上げるという表現がこの本にでてきたこと。おお〜シンクロか?

凡人として生きるということ (幻冬舎新書)

凡人として生きるということ (幻冬舎新書)