細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】ちっぽけで永遠だ

生きてるだけでありがたいと

思いなさいなんて

親から言われた覚えはない

そんなあからさまな話はされたことない

だけど命が大事と思ってる

それはなぜなのか

命があまりにも儚いからか

君の笑顔や寝起きに見た美しい空も

いつか消えるからか

生きてることにしがみついている

ああ、なんでこんなに切なく

バカみたい私のこの思い

本当に大事なものなんてないのかもしれない

でもおそわれるのが

こんなに大事なんだという気持ちの

発作

 

僕の頭はいつもギクシャクしている

僕の体は肝心な時に力が入らない

窓辺で、ささやかな風の音を聴いている

ずっとずっと聴いている

それは地球で片隅に繰り返されている

なんていう音なんだい

ごはんをたべる音が聞こえない

悲しくも豊かな

ごはんの匂いもしない

 

砂やちりが飛ばされて

なんでここにいるのやら

湿っぽい布団に潜り込み

どんな辛いことも

放射能より先に息絶えると思う

僕は地球より短くしか

生きられない

だからいい

山や海が生まれた瞬間を

たくさん見れない

僕の悩みはちっぽけで

永遠だ

 

それで

それがどうしたというのやら

涙と笑いと

嵐の中で沈んでいく

疑問ない

疑問しかない

キリがない

叱られる

バンザイ

 

【詩作品】ありゃあせん

むなしい

無情

あんた笑うな

痛みなんてないかと思っていたら

あぶら汗が夜の闇に溶けて

再び朝帰ってくる

 

私の心はどこかへわすれていた

感じないなら感じないで

よかったのに

命だからか、忘れ物だからか

落し物だからか

憑きものだからか

 

長い雨が降っています

悪くないことではないんでしょうか

存在しない青春が私を思い出す

若い男と女が幸せそうに

笑う

私が何をしてきたか

いろんな人が記憶の底から

立ち上る

煙る雨のように

悪いのか悪くないのか

私はそもそもなんだったのか

わからないまま

古いお話として

もはやしまい込む棚もありゃあせん

 

階段を駆け上がる

 

21世紀にも階段はある

さみしい階段である

壁には鳥や馬の絵が描かれ

私は行くところがない

賑やかなそんなさみしさです