細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

問いも答えもない手紙

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(以下はこの音楽に触発された僕の詩です。当然草野さんの歌詞より下手です)

ー問いも答えもない手紙ー

 

この宿題を解かなくてはならない

この宿題には問題さえない

遠くの空に手を伸ばしつかみ取った朝の光が

何の意味をもつのだろう

 

あの時、悲しい思いをさせたあの人に

僕は届くことがない手紙を書かなければならないだろう

この愚かで小さな僕が壊れて

流れ出した未来に向けて

 

たぶん命乞いをした日々にも

それでも僕は全く何事もなかったかのような

顔をし続けているだろう

それは僕が背負った唯一の顔

あなたは変われると

あの人の中の正確な羅針盤が方位を示した

僕はその胸の羅針盤に顔を寄せ

涙を流すしかなかったのだ

 

しかしあの頃僕には

その方位を歩き出す力がなかった

誤魔化して歩き回ることもできなかった

疲れたから眠らせてくれと

いうしかなかった

 

その時をやり直せないということを知るのに

何度寄り道をし続けたかわからない

 

それでも笑って

それでも懲りずにいる

夜の闇に抱かれながら

僕はこの気持ちを手放さないでいる

強く抱いて

その力を信じて

ただの馬鹿力であふれて燃え尽きそうで

 

 

 

 

【詩作品】光の謝罪、夜の無罪

1人で

夜を過ごしている

厳しい言葉を話しすぎて

ゴメンなさい

謝っても意味ないが

むしょうにゴメンなさい

 

それを鉛筆で紙に書いて

丸める

 

夜は誰にも謝らず

ただ影に隠れた惑星だ

あなたに話す内容なんて

大してない

三つ葉、サンショ、タマネギ

シナモン

 

あなたに伝えたい気持ちは

私の牢獄に書いておいた

とてもとてもここから出て

ここから出ていきたい

出たらすぐ死ぬ虫になって

光のある方向に

たぶん飛んでいきましょう

 

これからは

終わりに向かう

だから

この広い空の

さみしい野原で

笑いながら転がり続ける

 

海を渡る

私たちは

ふるさとを亡くし始めた

亡くしたふるさとが

巾着袋で泣いていた

 

のど飴

道行き

旅がらす

白黒写真

だぶだぶの洋服

ハチマキ

ビラまき

改札

 

誰がいたか振り返る

チラチラと光の筋がみえて

何もかもが始まっている

あまりに

多すぎる

暗闇の線路の向こうで