細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

読書

中沢啓治『黒い雨にうたれて』・島本慈子『戦争で死ぬ、ということ』・木田元『闇屋になりそこねた哲学者』

中沢啓治著作集〈2〉黒い雨にうたれて作者: 中沢啓治出版社/メーカー: DINO BOX発売日: 2014/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る普通の町の本屋で右翼本などにまじって、ピカピカの故中沢啓治氏の新刊を発見。 中沢氏の作品がセレクション…

血を流し続けている-赤坂憲雄/小熊英二/山内明美『「東北」再生』を読んで

「東北」再生―その土地をはじまりの場所へ作者: 赤坂憲雄,山内明美,小熊英二出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2011/07/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 60回この商品を含むブログ (14件) を見る短いがとてもいい本だと思っ…

最近の読書・井伏鱒二『黒い雨』など

希望は絶望のど真ん中に (岩波新書)作者: むのたけじ出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/08/20メディア: 新書購入: 2人 クリック: 46回この商品を含むブログ (5件) を見る結論や戦争廃絶について少し楽観的な感じもするが戦時中戦後の彼の体験から導き出…

ここひと月で読んだ本3冊はいずれもルポだった

その三冊はいずれもルポだった。精神医療に葬られた人びと (光文社新書)作者: 織田淳太郎出版社/メーカー: 光文社発売日: 2011/07/15メディア: 新書購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (12件) を見る精神科入院病棟で出会った患者さんとの会話、…

上杉隆, 烏賀陽弘道 『報道災害【原発編】』のざっくりした感想

報道災害【原発編】事実を伝えないメディアの大罪 (幻冬舎新書)作者: 上杉隆,烏賀陽弘道出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2011/07/28メディア: 新書購入: 4人 クリック: 169回この商品を含むブログ (42件) を見るあの災害と原発事故が起きる前からツイッター…

菅谷昭『子どもたちを放射能から守るために』

子どもたちを放射能から守るために作者: 菅谷昭出版社/メーカー: 亜紀書房発売日: 2011/05/31メディア: 単行本購入: 22人 クリック: 227回この商品を含むブログ (8件) を見る 人体の被曝の実態について、被ばくを避ける方法について啓蒙書的に平易に書かれた…

坂部恵、合田正人

お出かけしたり買い物したりしていた。 疲れた。しかし意外と体の動きはよい。昨日今日、読み終えた本をメモとして挙げておきたい。かたり―物語の文法 (ちくま学芸文庫)作者: 坂部恵出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/02/06メディア: 文庫購入: 2人 ク…

坂部恵『かたり-物語の文法』

かたり―物語の文法 (ちくま学芸文庫)作者: 坂部恵出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/02/06メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 25回この商品を含むブログ (20件) を見る読んでいる。難しい、解釈学的な物語論。だけど面白い。今のところ参照されている論…

おすすめ本・吉岡斉『原発と日本の未来』

原発と日本の未来――原子力は温暖化対策の切り札か (岩波ブックレット)作者: 吉岡斉出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/02/09メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 32人 クリック: 414回この商品を含むブログ (25件) を見る日本の原子力政策、事業への…

【読了】カリガリス『妄想はなぜ必要か−ラカン派の精神病臨床』

カリガリス『妄想はなぜ必要か』を読み終える。後半は具体的なケースや治療の検討を複数人で行っており大変具体的で読みやすくビビッドに感じる。またイタリアで精神病院が全廃されたのは、治療構造として逆に危険ではないかという危惧を示している。是非は…

【読書中】カリガリス『妄想はなぜ必要か-ラカン派の精神病臨床』

暖かくなっている。久しぶりに読書に熱中している。半分くらい(90頁くらいまで)読んだ。この調子で積読を解消したいが… 妄想はなぜ必要か―ラカン派の精神病臨床作者: コンタルドカリガリス,Contardo Calligaris,小出浩之,西尾彰泰出版社/メーカー: 岩波…

身体の使い方、その狭さ、可能性などなど

ブログを書かないのはあまり理由がない。理由がないが身体が凝るというのが一番の原因かもしれない。むしろ以前よりはよく歩いたりするようになっている。 身体の使い方やその癖はそれぞれあるのだろうが、それが恐らく関節や体を知らずに痛めているらしいと…

チャレンジする人を静かに応援する、恩着せがましくないまなざし―【読了】松井彰彦『高校生からのゲーム理論』

高校生からのゲーム理論 (ちくまプリマー新書)作者: 松井彰彦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/04/07メディア: 新書購入: 74人 クリック: 736回この商品を含むブログ (43件) を見る深い見識を随所に感じさせる。数学の苦手な私でも読める。実例を分析…

対話

小泉義之『倫理学』(人文書院)とブーバーとロジャース『対話−解説つき新版』 (春秋社)を読了。前者は小泉義之による倫理学紹介である。倫理学 (ブックガイドシリーズ基本の30冊)作者: 小泉義之出版社/メーカー: 人文書院発売日: 2010/10メディア: 単行本 ク…

【読了】山岸俊男・メアリー.C.ブリントン『リスクに背を向ける日本人』

リスクに背を向ける日本人 (講談社現代新書)作者: 山岸俊男,メアリー C・ブリントン出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/10/16メディア: 新書購入: 7人 クリック: 90回この商品を含むブログ (27件) を見る読了した。 山岸氏とブリントン氏の対談である。昨…

梅森直之編著『ベネディクト・アンダーソン グロバリゼーションを語る』光文社新書読了

ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る (光文社新書)作者: 梅森直之出版社/メーカー: 光文社発売日: 2007/05/17メディア: 新書購入: 47人 クリック: 569回この商品を含むブログ (104件) を見る第一部は2日間行われたアンダーソンの講演録…

マルクスの経済学哲学草稿メモ

経済学・哲学草稿 (光文社古典新訳文庫)作者: マルクス,長谷川宏出版社/メーカー: 光文社発売日: 2010/06/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 47回この商品を含むブログ (25件) を見る マルクスの経済学哲学草稿をかなり読んだ。あともう少しで終わるわけ…

ジジェク読了

ポストモダンの共産主義 はじめは悲劇として、二度めは笑劇として (ちくま新書)作者: スラヴォイ・ジジェク,栗原百代出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/07/07メディア: 新書購入: 8人 クリック: 221回この商品を含むブログ (63件) を見るジジェク読了。…

そこで互いが「出会っていた」かどうかを-名越康文氏の記事から見えてきた倫理的な問い

精神科医の名越康文氏の3年前の週刊医学界新聞の記事医学書院/週刊医学界新聞(第2727号 2007年04月09日)非常に読み応えがあった。医療という世界が抱える矛盾を主に人である限り免れない「死」と「関係性」から説き起こしている。 名越氏自身が子どもの頃か…

「心の文法」を読む―痛みの体験構造や、医療の背景にあるものを考えてみた

心の文法―医療実践の社会学作者: 前田泰樹出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2008/12メディア: 単行本 クリック: 28回この商品を含むブログ (36件) を見る読了した。 これからごたごた感想を述べることにする。拙文お許し願いたい。なかなか感想がまとまらない…

誠実ないい加減さ

心の文法―医療実践の社会学作者: 前田泰樹出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2008/12メディア: 単行本 クリック: 28回この商品を含むブログ (36件) を見るこの本を読んでいる。難しい。ウィトゲンシュタインのことが気になってきて論考をめくる。 論理哲学論考…

現代思想を久々に読む

現代思想2010年5月号所収の廣瀬浩司「諸文化を横断する戦闘的な真理−メルロ=ポンティ「制度化」概念と「間文化現象学」」を読みました。感想は今書くのはちょっと体調がしんどいが、フッサールの「目的論」という言葉が興味を引く。メルロ=ポンティは、それを再発…

待ち焦がれるものが眠る-大島弓子の漫画を読む

最近ネットで大島弓子のマンガをすすめてくださった方がいたりして、私も遅ればせながら大島弓子の「つるばらつるばら」と「ロストハウス」を読んだ。 読んだ感想は意外にいうのがむずかしいなと思っている。けれども、こういう作品に出会うと端的に「生きて…

「よくないものなのにそれを必要としているとすればその意味は何か」−石川良子『ひきこもりの<ゴール>』読了

ひきこもりの〈ゴール〉―「就労」でもなく「対人関係」でもなく (青弓社ライブラリー (49))作者: 石川良子出版社/メーカー: 青弓社発売日: 2007/09/22メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 144回この商品を含むブログ (27件) を見る私はこの本を読んでよかっ…

スティグマを思い出す

ひきこもりの〈ゴール〉―「就労」でもなく「対人関係」でもなく (青弓社ライブラリー (49))作者: 石川良子出版社/メーカー: 青弓社発売日: 2007/09/22メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 144回この商品を含むブログ (27件) を見る図書館で上の本を借りてき…

「トカトントン」を考える

ちょっと徒然なるままに書いてみようかと思う。最近寒い日が戻ってきているが体調はまあまあだ。あいも変わらず社会復帰だとかなんだとかが気になるのだが、これはもう思春期の頃からの習い癖のようになっている。 社会復帰や適応に関する悩みや怒りのあれこ…

示唆を受ける。

三つのエコロジー (平凡社ライブラリー)作者: フェリックスガタリ,F´elix Guattari,杉村昌昭出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2008/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (30件) を見る大阪と沖縄の講演を読んだ。第一章も読み中…

お前の心の病です

詩を書いているからといって、実際詩作品を読むばかりではなく、それは詩に関心があまりない人よりは読んでいるのかもしれないが、それは野球好きは夏はナイターを見るけどそうでない人は見ないってことと同じなのかはわかんない。実は大学に入る前志望する…

いま読んでいる途中の本のメモ

結局、自分のことしか考えない人たち作者: サンディホチキス,江口泰子出版社/メーカー: 草思社発売日: 2009/04/22メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 8人 クリック: 109回この商品を含むブログ (19件) を見るこのタイトルはちょっとマズイ気がするが…中…

最近の傾向

年賀状書いた。クリスマスも友達のとこや家でパーティーをやった。小さなボンゴをもらった。打楽器大好き。 むかし読まなかったような種類の本が面白いと感じる近頃です。「イタい女」の作られ方―自意識過剰の姥皮地獄 (集英社文庫)作者: 中村うさぎ出版社/…