細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

詩作品

【詩作品】音楽の井戸

この音楽を聞いてください。聞いてくださいとお願いしてしまった。お願いする恥ずかしさをまず生きなければならない。少し待ってください。深呼吸させてください。息継ぎが下手なので、地上で息継ぎが下手なので姿勢をしっかり維持する必要があります。例え…

なお

水の、上に 飛行機が、なんで飛んでいるんでしょうか。問いかけてなお息切れてしまう。 ああ、ちょっと待ってよもう。 いつまでも追いつかないでいる、その存在を なお愛することさえできずに ただあるようにしかあることができない。 あることの恥ずかしさ…

【詩作品】治療空間

音が聞こえすぎる時が多いので 王様の気分になれず 恐れの多い小さな生き物のように 僕というこの体が震えて揺れ続けている揺れ続けているところに確かなおのれなど というものがあるのか わからない けど 日の光を浴びる ことが恥ずかしいけれど なぜここに…

Isolation,biosphere

急転回する世界の中で 読みきれない本が積み上がっていく その本は百分の一秒で消える文字で描かれて 何にも次に残らないの 急転回する世界の中で 僕は確かなことしか話したくないのに 出てくるのはとりあえず とりあえずのことばばかりだ 世界という時にも…

ケイセイ逆転ならず

詩を書いてどうなるか どうにもならないか 風が強くなってしまって僕にはどうしようもないことなのか どうしようもない場所で僕はまだ生きているのか まだ生きてこれからを考えるのもどうしようか 本棚というより本を積み上げただけで 何も片付いておらず 僕…

僕が数え切れていないすべて

傷つきやすそうにふるまっている 本当に傷つきやすいのかはわからない 比べることができないから 傷つきやすさはけれども、空は僕の胸に降ってきた 土から僕は立ち上がる力を与えられた ほとんど壊れたような世界であっても その傷と傷つきやすさごと 僕に与…

夏の絵日記・罪業篇

夏も難しいな。空に散らばっていく光や雲の、終わりからのリズムを 受けながら 私の、気だるくまぶしい朝が過ぎていく。こんなふうに生きていることが 生きていることが生きていることが 影ながら濡れながら光ながら抱き寄せ 木々に緑を与えながら 愛されて…

燃え移った火

人間が人間を殺すのである。 人間が人間を人間と火によって殺すのである。 プロメテウスの火がこぼれ落ちて 千数百の日があった。火はジルコニウムを溶かす増殖する火になった。火によって私たちは盲目となり 火によって私たちの日々は焼かれた 葉が焼かれ …

グラウンド・ゼロ

感じるのは肉があるからですが 肉は土や植物が育てたのですね 流れる血は地球のように汚れている 外と中がつながって毎日傷んでいくよ あー空に包まれて なんて恥ずかしい 私がここにあるなんて 信じがたい 信じなくてもいい 床の上に倒れている 鉢植えから…

足取り

急ぎ足で あるいは普段仕事に行くような けだるく 真面目な足取りで あるいは散歩みたいに 人々は整然と 世界の果ての穴へと歩いていくあるものはテレビの話をし あるものはテレビなんかくだらないといい 神の名前を叫び 神なんていないといい 子供に微笑み…

生きているのを唄う節

僕は生きているので 生きているからなあ 生きているよなあ 生きてね 生きてるのだなあ あー うまくできんなあ、邪魔せんで いま集中してるから 生きてるのに集中してるから 集中しないと生きることが難しい 生きてるのが確かにならないと 確かなもんなんてな…

前に倒さないでよ

命からがら生きたはずなのに 命を失う人間です さわやかな毎朝に命を削り取られる側に 全員が整列しているはずだのに 隣の人が前に倒れるのを 私もあなたも見殺しだ フリースの裏地を撫でている 前へ前へと殺害が続く 新聞紙もインターネットも インクでか、…

傷痕

地名について私たちは残酷だ 地名しか出来事を乗せられないからだ 私たちはすぐに消えてしまう 傷痕は日々を作り出している 私の傷痕には傷痕ではないものがある それはけして豊かではないが 私は傷痕なしには生きられない 傷痕は言葉として 地上に悲しみと…

人類史

反省に迷っていた 悪事をばらせば先輩やその先輩や その先輩の彼女さんや彼女さんのお父さんに 迷惑がかかるからだ 迷惑をかけるくらいなら 秘密は飲み込んで 今日も働こうと決意して 更衣室で着替えていたら 窓の外側でプラントが火をふき 海が悲鳴を上げた

あおぞらの街

体があおぞらであったらいいが このあおぞらはよからぬものでみたされている 僕の体もそれに染まっていって なんだか恥ずかしいようだ 生きているという言葉を何度も使うので 空気が薄いどころではない 真実のアーケードでコロッケを食べている不幸せな親子 …

3月の夜の扉をたたいている風に

風を追悼する もう声が出ないのではないか もう誰もいないのではないか もうこれから 風が吹いても 風を括りつけて 物質を止めようとしても 私たちはバラバラになっていく バラバラになりながら退屈して 生命を失い 終わりがない 生命を失う果てしない過程の…

いのちと簡単に言うなと言われても

いのちと簡単に言うなと言われても.pdf - Google ドライブ

木の中の流れる水の音

その嵐のとき 嵐のせいで 僕は自分を愛することができないでいたのだと思っている しかし それは 思い違いであって 嵐のせいではないし 問題は僕が自分を愛せないでいることではなかったかもしれない僕が僕を愛そうが愛すまいが 問題ではない そういうといい…

戒律二〇一二

詩を書きました。「戒律二〇一二」戒律二〇一二

詩評論「石垣りんと美しい油断―文学と原子力非常事態の関係を考える」

詩評論「石垣りんと美しい油断―文学と原子力非常事態の関係を考える」を書きました。 以前発表しようとしてお蔵入りになったのでこちらに公開することにしました。石垣りんと美しい油断

詩『命名権者』

最近感じたことを詩にしてみました。 こちらでご覧ください。拡大縮小ができます。 命名権者

育てられる

昔書いた詩を張り付けてみました。 これは社会福祉の養成講座に通っていたころだから3年以上前かな。

鏡の顔

もう何年前に書いたか覚えていませんがこんな作品がPCの古い場所から出てきました。「鏡の顔」という詩です。公開します。 ↓のリンクより見られます。バーの虫眼鏡の+や−で表示を大きくしたり小さくしたりできます。またMaximizeという矢印の拡大バーをクリ…

拙詩作品「思えてくる」公開

こちらで見れます 昔コールサック(初出2008年4月)という詩誌に書かせていただきました。 ↓ こちらのリンクをクリック。 思えてくる.pdf - Google ドライブ詩誌に書くのには大変な意義を感じています。己の詩を錬成する場所として。と同時に発行部数や…

自作詩をpdf文書にして公開してみました。

以前書いた「果てしなく」という作品です。 ↓のリンクから hateshinaku.pdf - Google ドライブ

【告知】CPMというwebマガジンに詩と評論を書きました。

私はこの酷暑に犬のように少しへこたれていますがみなさまはいかがお過ごしですか? 今回CPMというwebマガジンで、評論と詩作品を書かせてもらいました。目次の*のところをクリックすると記事のところに飛びます。 The Contemporary Poetry Magazine II: C…

僕は賢い

僕は賢いので、人類の中でもあまりに独異な存在なので、友達が出来ない毎日そう思っている近所の人に挨拶し自転車に乗っている知り合いの女の子にも手を振りとにかく精一杯社交的であるその努力が実らない僕は友達がいない友達ってのはいるんだけど、それは…

前景

吸い込まれていかなくて ざんねんながら あやふやに溶け合えない溶け合えない 何かにはさまれる感じでそこに そこにいるような気はすごくするんだけど空みたいにすごくそこにいるように思い 残念です そこにいるように思い 感じ そこにいることは、だから別…

それはどんな旅でもいいので あんまり悔しいときもあるだろう 旅は悔しいものなのですり傷の口が甘いのでもともとそうなので 出会うことってなんなのかわからないので あなたはだれなので へえ そうですか あなたはだれなので三日月はあまり好きでなく 歌う…

精神の構造化、組織化としての文書化

自分の気持ち、心、それを組織、構造化させる方法として①これにはドキュメント=文書として保存するという方法がある。 文書(ぶんしょ、もんじょ)は、参照されることを前提として記録される情報である。一般にはぶんしょという。もんじょという場合、特に…