細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

思索

剱岳と国

先週土曜日は、「剱岳―点の記」http://www.tsurugidake.jp/を見に行った。観客には中高年層が多かった。だけど、剱岳の映像も素敵だったし、陸軍測量部の浅野忠信や、かれを案内する長次郎(香川照之)や村人の様子もよかった。脇もしっかりしていたし、とく…

「発達」について考えてみる

最近マイケル・ジャクソンに関するエントリが続いた。 今日は「発達」について概略というかすごく大まかに今考える。これはまあメモである。 このことはマイケルと無関係ではないのだが、しかしうまく道筋をつけられない。 なぜ僕が「発達」を考えるかという…

ある予感のメモ

マイケルのことを書いたが 表われて表したもの―マイケルのことを思った - 細々と彫りつける なんとなく不十分というかもっと半端ない深淵があるような思いがしている。 しかも、彼の若い頃の映像を見るとまさしく美青年で、彼が自分の姿を変化させていったの…

無と無の無

なんだ、いろいろまずい感じになってきたな。 僕は、様々な場所で固い孤独を見いだす。自分自身も固い殻に覆いながら。嫌悪と不快と苛立ちと意味のわからない善意と、それらは、けして万全ではないが、明らかに顕わであるようなもののような感情である。 自…

真面目な顔。面白い顔。―私と暮らしと言葉と

http://gogen-allguide.com/ma/majime.html はあそうか。真面目って顔つきのことなんだな。 何しろ「面目ない」の面目があるからな。 意味としては眼だけぱちぱちしている感じで。 近世は「真面目な」顔って、なんかつまんない顔になったんだな。 面白いとい…

思い出せるものと思い出せないもの

昨日とある朗読会に行く。声に出して読むということ。身体をとおして、そこからひろがったり、閉ざされてしまうものを考える。ラジオでチューニングをあわせるように、こちらがチューニングしてつかまえるだけでなく、その場所に響くことで、作品の実現に立…

信頼を考えるの続き

http://d.hatena.ne.jp/ishikawa-kz/20090512/1242117476の続き。 気になるのは、彼が高度な合理性と非合理性の綾を使いながら、「スゴイ人への感染」といっちゃうところ。重松清の短編「青い鳥」についてこういうのだ。 主人公の先生は強度の吃音です。その…

信頼を考える

日本の難点 (幻冬舎新書)作者: 宮台真司出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2009/04メディア: 新書購入: 28人 クリック: 233回この商品を含むブログ (228件) を見る本日昨日に続き暑い。宮台真司『日本の難点』をこないだ、へこたれたような、批判を書いた。相…

時間の様々な色や密度の変化を感じたい

おはようございます。よく眠れて天気もよいです。昨日は人に会ったのがよかったんだな。基本的にいやな人じゃなくて好きな人や好きな場所にいったから。 その方に「なんかしんどいと思うのでいきなりは仕事はできないし。それから仕事いうのはコミットメント…

囚人ですらなかった―孤独と参加を考える

よく拝読させていただいているid:Arisanさんのエントリhttp://d.hatena.ne.jp/Arisan/20090507とid:ueyamakzkさんのブログをFreezing Pointずっと読んでいて、何か自分の身に照らして思ったことを書きます。お二方の日記と直接はつながっていないかもしれな…

自我理想と意地の癒着

昨日も昼から晩くらいまで不調。でも、気の持ちようとかポジティブシンキングや「ありのままでいいよ」とかで解決される部分とそうでない部分を感じた。 というのは、大雑把に心というのは自分に向う部分と、他者や外部に向う部分があるのだ。だからポジティ…

一番伝わるやり方

昨日心を落ち着けて、自分がいまどのような状態にあるか見つめていた。僕は感情的な人間なので、いろいろ思い悩んでくるとけっこう荒んでくる。しかも昨日受験仲間の方と飲み会があったのだが、心身ともにふらふらで欠席した。それが4時くらいである。みな…

回復・リハビリテーションメモ―上田敏の説を参照しながら

自分はいまわかりやすくいうと、リハビリテーションの最中というかその仕上げにいるという認識をもっている。 しかし、以前はリハビリテーションという言葉が嫌いだった。それはすでに戻るべき健常者社会の価値を前提にしているように思われたからだ。おそら…

前見つけたんだけど

前見つけたんだけど、なんやかやで紹介していなかった。youtubeで松村邦洋の物まねの動画見つけたのです。すごい面白い。一級品です。でも、それからしばらくして東京マラソンで心筋梗塞および心室細動で倒れてしまわれるとは… 昨日はWBCで日本が優勝して…

【対話】逃げちゃだめだという気持ちについて。

エヴァンゲリオンはテレビシリーズ以外ちゃんと見ていないので、大きなことはいえないけれど、主人公碇シンジの言葉というか追い詰められた時に自分に言い聞かせる言葉がある。 「逃げちゃだめだ」(泣きそうになりながら)この言葉、あんまり好きじゃない。…

メモ 不随意に

少しだけ体の芯の感じが戻ってきた。 言葉がわれわれを不自由にするのだろうか。否、認識を変化させられないことが、自分の身の丈に合わない文法を選択させ、それに勝手に縛られているのではないだろうか。 私たちは互いに言葉を交わさないことで危機をしの…

労働と家族についてつれづれに(2)―ハンナ・アレントのこと

昨日は少しハンナ・アレントについて批判的に言及した。 家族、労働についてつれづれ - 細々と彫りつける しかし今日考えてみて、なぜアレントが労働を批判的に見るようになったのか考えないといけないなと感じた。そうしないとフェアではない。 人々が互い…

家族、労働についてつれづれ

昨日のエントリはうまく像を結ばなかった。なんかまだ不明の部分が多かった。http://d.hatena.ne.jp/ishikawa-kz/20090211またこんどの宿題にする。 自分はこないだ両親と両親の実家のある四国へ法事に行ったのだが、そこで以前よりは父や母の言動に左右され…

 さる1月31日のジュンク堂梅田店でのフリーターズフリーのトークイベントについてメモ

さる1月31日のジュンク堂梅田店でのフリーターズフリーのトークイベント(パネラー;生田武志、栗田隆子、村上潔)についてまとめようと思ったがけっこう難しい。4点だけメモル。 いま派遣切りといわれるが、かつては主婦パートが景気の変動に応じて、切…

考えるための酸素

今日は雨です。昼頃から降ってきた。日曜日はすごく寒く雪も降ったのに、ここ数日暖かい。 ガザへの攻撃について僕はまったく無知だ。いろいろ話は聞こえるのだが何となく考えるための酸素が足りない。なのでそこのパレスチナ出身の発言者エドワード・サイー…

励まし

今日は散髪に行った。年末なので混んでいた。散髪屋の兄さんと喋っていたら、なんかちょっと楽しかった。で、クリスマスなので駅ビルなどを物色しました。昨日はですね、デイケアでお食事会がありまして、うまかったっすよ。創作の洋食です。はじめて外でチ…

マザー

こないだNHKを見ていたら「その時歴史が動いた」の再放送をやってた。マザーテレサの回でした。 その中でマザーが「貧しい人とは?」と尋ねられ、「それはわたしでありあなたなんですよ」と答えたという言葉が印象に残った。こういう言葉が機能しているか…

久しぶりに宮台真司の本を読みました。

14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に作者: 宮台真司出版社/メーカー: 世界文化社発売日: 2008/11/11メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 12人 クリック: 124回この商品を含むブログ (131件) を見る昔の宮台真司はよくも悪くも暑苦しかった。『…

布村さんの素敵な文章を絶賛してみる

http://www.haizara.net/~kirita/nunomura/essei/shini.html 上記リンクの詩人の布村浩一さんの散文を読みました。私も詩を書いているので一時は詩はマイナー分野であるとか儲からないからダメだとか考えたこともありました。けど、たぶんそれは単なる愚痴だ…

筑紫哲也の追悼番組

今日晩に筑紫哲也の追悼番組を見た。僕はそんなに筑紫哲也のニュースを見なかったし、なんだか頼りなげなおっさんだなと思っていた。震災直後に失言をしたといわれたときには、ふつうにあの人何言ってんだと思った。だからこの追悼番組を見ても個人的には面…

テレビの楽しみ方という反時代的な試み

オリックスVSカープで日本シリーズが実現したら興味がある。 パリーグではライオンズも、ファイターズも、マリーンズもそれからセリーグではタイガースもジャイアンツも中日も、すべてここ10年以内に日本シリーズに出ているから。 けど、オリックスが出…

いつもの道・ちがう道―スカイクロラを見たよ

スカイクロラを観る。梅田ブルク7にて。 (以下ネタバレ部分があるので注意) 自分にひきつけてしか感想がいえない性質なのだと断っておく。その上で言うと自分に引きつけると自分の弱点や至らないところをいろいろ感じずにはおれなかった。 劇中、こんなよ…

あの手この手の挑発

おととい映画「ダークナイト」を見ましたよ。バットマンシリーズ知らない私でもついていけました。おおまかにいうと、ヒーローって何なの?ヒーローがいるから悪役も現れ、世界は混乱するので、ヒーローこそが暴力を占有している可能性もあるんじゃないのと…

いやではない、けど、やっぱりイヤかもしれない―鮎川信夫を読む②

カズオ・イシグロと併行して「続・鮎川信夫詩集」を読む。こないだ声に出して「秋のオード」とか「落葉」詠む。非常に感動する。 とはいえ、この詩集にはどこか投げやりな口ぶりがある様な気がして気になっている。 されど、気になるフレーズがいくつか。鳥…

いかんともしがたいが、いやではない―鮎川信夫の詩から

帰心鮎川信夫木を伐り倒す男らしく 空をいくらか明るくした それから人に会わない 背をこごめて街中で生き 手と膝をついて歩くこともあった いまでは腰がいたむ 空はいつもくもっていて 男はしきりに還りたがった 鮎川信夫はなんとなく敬遠していた詩人の一…