細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【宮崎早野論文問題】福島・被ばく論文、撤回不可避に 伊達市からデータ再提供得られず:福島民友新聞

多くの住民同意がないまま、執筆された論文です。伊達市住民の被ばく線量、GIS作成のための住所氏名データなのですから、伊達市が再度データを渡すことはないのは当然でしょう。 しかし伊達市もこれを渡してしまった罪は逃れられません。 そして、早野氏はなぜこんなとんでもない論文を書いてしまったのか、疑義を逃れてはなりません。

福島・被ばく論文、撤回不可避に 伊達市からデータ再提供得られず:科学・環境:福島民友新聞社 みんゆうNet http://www.minyu-net.com/newspack/KD2019011401001932.php 「科学・環境 福島・被ばく論文、撤回不可避に 伊達市からデータ再提供得られず 2019年01月14日 18時44分      東京電力福島第1原発事故後、福島県伊達市の住民の個人被ばく線量を分析した論文に本人の同意が得られていないデータが使われていた問題で、市が著者の早野龍五東京大名誉教授らに再解析に必要なデータを提供しない方針であることが14日、分かった。早野氏らは同意が得られている分で再解析し論文を修正する考えだったが、データが得られないため論文の撤回が避けられない状況となった。

 市の担当者は共同通信の取材に対し「住民の信頼を得られる見込みがないため、データを再提供する考えはない」と回答。早野氏は「市から正式な通知が来ていないので、見解は差し控える」としている。」

また、高エネ研黒川眞一名誉教授による公開レター、神戸大学天体物理学の牧野淳一郎教授ら、そうそうたる被ばくや計算物理学のエキスパートが論文の根幹を揺るがす疑問や指摘を公表しています。

Comment on "Individual external dose monitoring of all citizens of Date City by passive dosimeter 5 to 51 months after the Fukushima NPP accident (series): II"

Shin-ichi Kurokawa http://bit.ly/2Sw2cQ3

〝In summary, I have found serious inconsistencies in the paper, which prevent me from getting reliable information from the paper.〟(黒川レターより) 「要約すると、私はその論文に、論文から信頼できる情報を得ることを妨げる、複数の重大な矛盾を発見しました」 ここまで書かれている。

当然、徹底的な学問的検証が必要です。なぜなら、これは政府の政策に大きな影響を与える論文だからです。

すでに影響を与えています。

原子力規制委員長の更田氏の発言。 「更田委員長は昨年1月17日、原子力規制委員会の席上で、1時間当たり「0.23マイクロシーベルト」という値は、ガラスバッチで計測した個人線量と比較すると「4倍程度、保守的」と指摘。「改めないと帰還や復興を阻害する」と数値の見直しを提案した。」 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2356

第1論文、第2論文に通底するのは、環境省が定めた除染基準毎時0.23μSvは、保守的であり実際のガラスバッジ計測値はもっと低いので、除染も必要なく、健康影響を心配する線量レベルではないという中身だからです。 しかし、すでに積算線量は3倍の過小評価が明らかとなり、早野氏は「プログラミングミス」を理由に修正を願い出ています。 しかし、黒川眞一氏や牧野淳一郎氏、押川正毅氏らが指摘しているのは単なる計算間違いではありません。 第2論文の図6から図7の間に複数の不整合が見られ、示されている数値で検算すると、図が論文通りのカーブを描けず、論文の証明過程に重大な不整合が見られるからです。

牧野淳一郎氏の指摘。

‪データ不正提供疑惑・計算ミス発覚の個人被曝線量論文。早野教授は研究者として真摯な対応を | ハーバービジネスオンライン https://hbol.jp/183049 @hboljpより‬

「黒川氏のレター論文では10箇所近い誤りが指摘されているにもかかわらず、早野氏の「見解」では、「3倍するのを忘れた」という1つだけを誤りとしており、それは黒川氏が指摘しているものではありません。 仮に黒川氏の指摘が誤りである、というなら、そのことを根拠をあげて説明することが研究者に最低限求められることでしょう。単に無視し、全く別のことを答える、というのでは研究者の論文に対する指摘への対応としておよそありえないことです。」

なぜこのようなことになったのか、早野氏は批判に応えるべきです。 なぜなら公表された論文であり、伊達市住民の個人情報が関わり、ICRPなどで発表され、国策にまで影響を与えようとしているからです。

また、なんとか帰還を進めたい政府の意図にかないすぎた論文であり、その辺りに利益相反行為がないか、また、政府が宮崎早野論文をどのように使ってきたか、使おうとしてきたかも明らかにする必要もあると思われます。

検証はまだ端緒についたばかりです。

【詩作品】ほんとうはほんとうにほんとうのところ

ほ んの小さなとき 私はほんとうのことを 話そうとして 現実を見失ったままなのだろう

ほんとうを話そうとして 親や友だちの前に立ったとき 失敗したと思ったのだろうか 失敗とは何なのか

ことしも 雪が降るの かな ことしも来年になるの かな いつからこんなに むずかしいの かな 話そうとして 私は 私の中に 空っぽを みつける

空っぽです 空っぽが私です 抱きしめられた場所に 私は空っぽです

空き地に草も生えませぬ 乾いているからです いつか見た花火 空き缶

砂に 絵を描きました 砂を こすりました 砂は ただ在りました 今は 埋められました

ほんとうとつぶやいて ハタチの私は 倒れました 空がくるくる回り 透き通った 涙が 流れてゆきます

ずっとそこから 時間が 滑ってゆきます 地球の表面に なんとかくっついてます

重力に頼る 重みがそこに在り 私は サンドイッチのように 知らない言葉を はさみ続けてきました 私は 分厚くなりました でも 知らない言葉だから ほんとうは ほんとうに ほんとうのところ

私はよく知らないこと ばかりです

よく知らないから 心配です カギを開けて 出かけました

とても心配です 何も忘れないように 何も持たないで

けれど けれど

【詩作品】生きているというガラス窓の遠くには

愛する 愛すること 愛することを始めること それはとても難しい それはとてもわけがわからない 人間には なぜ愛などと言うものがあるのか それは 生命が熟し 腐敗する過程の 必然的な生成物なのか

その日から町には 終わりからの時刻を 刻む時計が持ち込まれた 気づいたらカチカチ動いていて 目や耳をふさいだら 心臓の音が時計の音に なっている

僕も死ぬんだ とやかましい子どもたちに混じり 震えながら気が気でない やかましい子どもたちと同い年の 僕は子どもなのに やかましい子どもたちの叫びが 笑いが心に刺さる 僕の弟は この同級生よりはるかに若く 死んでしまった 青ざめた後 脳がクラクラして すごく辛く 立っていることができない

僕も生きているんだ 何のためでもなく 生きているというガラス窓の コワレモノ その 向こう側には 果てもない 冷たい青空が 広がっている その青空から 僕は 一発の爆弾として 投下されたが 限りなく不発である

涙を炸裂させても 届かない 親の愛する僕は この僕とは何か 違っている さみしくて そんな思いは 凍らせてしまったので 氷の塊は 僕の中でぎりぎり 痛んできた

愛されていたのかもしれない と 誰かが あなたが 宇宙が 僕を愛していたのかもしれないと ぼんやり 思う あたたかい部屋で やかんが吹いている

僕はずっと痛みを抱いてきたよ この思い わかるだろうか 僕は自分のことばかり 助かろうと たくさんの人を 知らない間に 傷つけていたのかもしれない だけど

夜空に 冷たい風船が 浮かぶ ケーキを食べて 毛布にもぐりこむ

たった一つの冬が来た なんども なんども滅びを繰り返しながら 恐々と 朽ちていく 生きている 体を生きている 体から温かさと 悲しみが吹き出して 夜が 寒く甘酸っぱい

12月らしくない天気に思う 命を感じる

「12月らしくない天気に思う」

昨日はとても変な天気でした。 12月なのに蒸し暑く、私はお好み焼き屋のおばちゃんに「今何月?」と苦笑していました。 昼からは診察に出かけました。

無事に診察を終えて帰るとき、なぜか右目が痛い。これは片頭痛の前兆だと思うわけです。 しばらく電車に乗ってますと、急に眠くなったりします。行きしも電車を乗り越したりしてました。 そして地元の駅に着くとものすごい滝のような大雨。 帰宅したら頭痛です。 いわゆる天気痛です。 激しい変化に体が困ってるんです。 頭痛薬飲んで数時間寝ましたがそのあとは、寝れず。

今日はゆっくりしようと思います。

人間は変な天気にもこれだけ左右されます。 それは人間が命だからです。 生命はずっとこの世界を感じて生きているんです。

私は人間って命だから生きてるだけで頑張ってる、何かを伝えていると思っています。 知的障害者の介護をしていて、それを本当に感じました。

その後私は精神疾患になりました。かなり無理な労働環境もあり、また幼い時からの課題を乗り越えられていないということもありました。

私は介護者のとき、自分は健常者だからとムリをしたり、突っ張ったんだと思う。だから病気になってよかったです。

それからはムリをしない、威張らないが戦いになったのかもしれません。 まだまだ修行できてません。

でも、私は激しいイジメや精神病で生きただけでもかなりムリしたし頑張ったし、心身にはいろいろな辛さが残ってます。 町に1人歩いていると不安です。毎日孤独感や空虚におそわれます。それでも、親から離れて一人暮らしでき、しんどいですが、私は変わったし、良い方向に向かっていると思います。

最近フランスの反政府デモが活発化しています。 フランスは社会運動で哲学者が活躍してきた国です。 サルトルは命が不条理な世界に投げ込まれていると考えました。 メルロ=ポンティは、命というものが否応なく世界と他人と絡み合っているのだと考えました。 フーコーは、精神医学が人間を閉じ込めてると考えました。 ドゥルーズは、精神病者は、この世界の鎖から逃れようと、病の形態で頑張っており、その努力を単なる病気としか考えない世界の価値観と戦わねばならないと考えました。 ドゥルーズの相棒ガタリは、精神病院で、患者とともに、人とのつながり方を、物事の見方を変えようと奮闘しました。生きやすくなるためにです。

これらの哲学者は、私たちが健康であるとか、何かをするということを当たり前にみなしませんでした。 その前提から始めると命の捉え方を誤って、どんなにすばらしい実践も反革命に堕することをつねに警告してきたのです。

私たちは、様々な環境汚染によりムリの効かない体になりつつあります。 また、気象も今日みたいにあまりにも変です。

だからまず私たちは自分をねぎらいいたわりましょう。 互いをねぎらいいたわりましょう。 反省するためにも、自分の行い、他人の行いをしっかり眼差しましょう。

今日生きた奇跡に素直に感動しましょう。 命を大事にしない体制に逆らうのはこれだと思いました。

【詩作品】never never

あなたの知らない心を私は持つだろう そのとき私はあなたの心を知らない 果たしておたがいさまなのだろうか わかりあえないのではなく ただことなるだけで この世界に 時間が導きいれられる

雲 割れた海 雨 雲 風 雨 毎日が過ぎていく

過ぎていく方向に すべり台や さびれた欄干が 朽ちている

私は ただ助けを求める 悪いことだろうか 未熟で甘ったれた仕草なのだ もう少ししっかりと 思うのだけど この世界の悲惨があちらにもこちらにも 灯っている ゆらめくまなざしに 強い叫びが響いている

このままではいけない また眠ってしまう 何もしなかった 今日 何もしなかった なのに 流れる川が激しい

あなたも私も老いていく かんじんなことを卒業 しなかった 卒業って何 かんじんって何

何が流れに浮かんでいる 赤黒い雲が 明日の災害を伝えている

また一日過ぎていった

違いがあるのが 当たり前なのだから もう 恨むことはない あいだにすべり落ちていく 永劫に暗黒な線路に

川も風も吸いこまれていく 慌てることはない 生きて震えて 慌てることはない 生きて震えて

never never never never

「多核種除去設備等処理水の取扱い」に係る書面による意見提出を行いました。

「※様式④の提出期限について、以下の通り延長いたします。(8月31日) 平成30年9月7日(金)(必着)※郵送の場合、消印有効」

「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会事務局  hairo-osensuitaisaku@meti.go.jp」

http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/setsumei-kochokai.html

事務局にメールで提出しました。 以下本文

①敷地内にある全ての汚染水貯蔵タンクの放射性濃度、核種データを明らかにすべき

②ALPS処理水にトリチウム以外の核種が含まれていたことを謝罪し、議論を仕切り直すべき

ALPS処理しても、告示濃度超過のヨウ素129、ストロンチウム90が検出され、基準以下ながら、ルテニウム106、テクネチウム99などが検出されている。 これらが新聞報道でしか明らかにならなかったことの責任を、国と東電は改めて公式の場で謝罪すること。 信頼回復すべき。

トリチウムのリスクについてさらに研究すべき

トリチウムはリスクが小さいと言われているが、トリチウムは水素の代わりに水分子と結合し生体内のあらゆる部分に入り放射性崩壊と被ばくをする。 代謝スピードは早いかもしれないが、偏在し、あらゆる場所で被ばくを起こすリスクは油断できないのではないか。 かねてより科学的に遺伝子損傷による発がんなどの影響が示唆されている。 トリチウムのリスクについてさらに研究すべき。

④①〜③について、公聴会前には明解にされていなかったあらゆるデータを開示し、ALPS処理汚染水に関する議論の仕切り直しを求める。

その際、公聴会参加した市民や団体で有益な指摘をした市民が多数いる。 彼らを小委員会などに招致してもらいたい。

トリチウム他核種を確実に分離する技術の向上に努める。水を綺麗にし、濃度の高い物質を隔離すれば、保管による敷地内被曝リスクも低減できる。

さらに海洋放出以外の処理、保管案についても、海洋放出ありきではく、そのメリットデメリット、かかる費用をアナウンスし、広く議論すべき。

⑥敷地内での保管は用地がひっ迫しているが、安易な放出で環境破壊を起こさないため、早期の検討が必要だ。

福島第1原発の様々な資材や荷物を一部第2原発に保管して、第1原発に大きな汚染水タンクを作れないか。 他に地下保管設備も検討すること。 地下保管については、案が却下されているはずだが再検討願いたい。 http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/140115/140115_01e.pdf

福島第1原発事故以降も、全国の原子力施設で事故が起きている。 これからも原子力施設で事故が起きうる。 その時無限定に放出が可能とならないよう、原子炉等規制法の告示濃度の厳格化、環境基本法放射能汚染対処特措法などの放射能基準の精緻化、厳格化を求める。

⑧これまでの汚染水の海洋などへの非意図的も含めた放出に関して、ロンドン条約に抵触しないか、環太平洋地域の関係国の被害なども含め、調査すべき。

2018年9月11日まで開催の大野良平展をギャラリーマーヤに見に行きました。

本日定例の精神科診察の後、JR高槻駅すぐそばのグリーンプラザ2階にあるギャラリーマーヤに行きました。

東大阪に越してからなかなか行けないですが、高槻に寄る機会があり、元気であれば行くという感じです。

今日は大野良平さんの個展。 写真とインスタレーション

静謐な印象。 心がヨガをするように静まる感じ。

大野さんといえば、阪神大震災への想いがこもった「生」の石積みで著名です。

大阪北部地震西日本豪雨、台風の直後、今日は北海道の大地震。 こんな日だから大野さんの作品、人物に会えて、ケアされた感じです。

JRで来たのですが、車窓は折れた木や倒れたアンテナ、シートのかかった屋根が見えました。 地震のあと台風ですからダメージあるでしょう。 しかし、そんな車窓をみていたら、不思議に自分の悩みなんて小さいなあと思いました。ちょっとした解離というか、自分に対する距離化です。 もちろん小さくないですよ。だけど。

大野さんのこの作品、大野さんが右耳が難聴になった時に感じたイメージなんだそう。 ちなみに今は治療により一時より耳の状態は良いようです。よかった。

目のようにも耳の穴にもみえる壁の穴の写真。不思議です。吸い込まれそう。

うちの母も片耳難聴です。 難聴に気づかず母に話しかけていた子ども時代、母は時々聞こえなかったみたい。私はさみしかった気がします。 母も孤独だったかもしれない。 耳鳴りは辛いといいます。 ずっとザーザー聞こえて。

それから、マーヤさんに一人暮らしの話をしていたんです。非常にマーヤさん真剣に聞いてくださった。 私が親から離れたのは気楽ですが、孤独感がと言いましたら マーヤさん「孤独感は楽しむものですよ」 私「でもマーヤさんはご家族と暮らしていらっしゃる」 マーヤさん「私の夫?でもね、うちはみんな精神は個人だから。だから一人で生きている、孤独感はさみしさじゃない、必要なものです」 私「そうなんですか。マーヤさん、ギャラリーしてるからさみしくないんじゃないですか。」 マーヤさん「そう。でも、これも一人ひとりの人が来て一人ひとりの世界で成り立つのよ」 私「マーヤワールドがあり、大野ワールドがあり、イシカワがいてみたいな?」 マーヤさん「そうよそうなのよ、みんなそれぞれのワールドを楽しむんです!」

なんかやっぱりマーヤさんは不思議な人です。 そこにたたずむ大野さんや作品も静けさに満ちています。

マーヤさんも大野さんも痛みや苦しみを創造に変えている。 いつもしんどいばかりの私も不思議な力を感じました。 やはり私が詩に書いたようにギャラリーマーヤには不思議な力があります。