細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

本日14時より大阪地裁で、大阪府市による東日本大震災がれき処理の問題を問う訴訟の第一回控訴審が行われる模様です。

 

本日、大阪府市による東日本大震災がれき処理の問題を問う訴訟の第一回控訴審が行われる模様です。


大阪ガレキ裁判の控訴審がはじまります
http://blog.goo.ne.jp/stopgareki/e/27aa5c213e8cea25befd2cdf9c541471@GarekiSaiban
「7月5日(火) 14:00~
 場所   :大阪地方裁判所内・202号法廷
■報告集会&原告団総会につきまして
 当日 14:30 ~
 場所 大阪弁護士会館」

報告集会の、ついキャスでのインターネット中継は、たぬき御膳さんが以下のURLで2時半から行われる予定の模様

http://twitcasting.tv/jg9u08w8wjtjt

 


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【詩作品】代わりなきもののあふれて

重い絶望を私だけが抱え込んでいるような

そんな気分になる時があり

そんなはずはないと思うが

私自身の気分を

誰も代わりに担うことはできない

 

バスも夜の光も

私と同じこの夜のシステムだ

隣に誰がいたとして

その声が届いていたとしても

私はあまりにも自分だけで

自分を抱えることができない

 

この辺りはどのあたりかわからない

誰もが談笑している

私はふらふらしている

いまどうすればいいのかわからない

どの方向に行けばいいのかわからずに

道を歩き出している

 

少しずつ漏れ出した

私の液体は

誰をも浸すことなく

夜の底を滑っていく

 

孤独は趣味ではない

ただ取り換えが聞かないのだ

私は花に包まれる

この位置に私がいることの絶対が重い

 

自分がここにいるということの責任と

その責任を捨ててしまいたいという

音楽も言葉も

私を忘れさせるものはない

 

その重い頭で

暗い未来を描いているの

その暗い未来を

誰の頭に押し付け

誰のくちびるに押し込むの

ちがう

ちがう

すべての人の口や毛穴から暗い未来が

流れ出して

この夜の帳はどこまでも広がっていく

政治も

正義も

科学も

あなたの善き心をもってしても

これをおしとどめることはできない

 

生れてきたからここにいるのか

生れてきたときと

今の私はつながっているのか

へその緒を切ったとき

私の体重は

どこを目指して

滑り落ちていったのか

【詩作品】ちくわをかじればよい

生きやすくなりたいですと

星に願う

 

意味のない願いである

私は私の地獄を生きていけばよい

夏の星空の下で

思う存分嫉妬したらよい

泣いてもいいし

悔やんでもいい

 

時間は元に戻らないから

光の速さで笑えばいい

 

惨めな時には

亀とか見たらいい

何も手に入らないなら

ちくわをかじればよい

 

 

 

宇宙のように果てしなく広がり続ける魂の裂け目と孤独ー川上弘美 『ニシノユキヒコの恋と冒険』を読む

川上弘美 『ニシノユキヒコの恋と冒険』 | 新潮社 shinchosha.co.jp/sp/book/441203/

文庫本を古本屋で安く買い、読んでみた。川上弘美は特に好きな作家ではない。
ニシノと交際した女性10人が、ニシノを語る短編のあつまりが1つの長編になっている。

 

ニシノはたくさんの女性と付き合っているが、実はギリギリのところでは、女性がニシノに愛情を持てず、またニシノも愛情をちゃんと持つことができない。
これは何だろうと考える。

 

ニシノは、核の部分で何かが欠け落ちている。アマゾンでは、光源氏と重ね合わせる書評が目立ったが、そのようなもののあわれとか流麗さとは別ものだと思った。単にうまくたどり着けない人である。

 

人間が人間として大切なものにたどり着けるかどうかは、能力や外見、金銭の多寡と関係ない。そうか能力とは関係ないなら平等なのか。そうではない。たどり着けない人はたどり着けないし、たどり着く人はたどり着く。
なぜそうかはわからない。

 

つまり残酷なのだ。


私はいま独身で、子供連れやカップルやいろんな人を見ると、自分はそうなろうとして、ならなかった自由な選択があったのではなく、なんだかうまく行かず今こうであるということを思う。
このままずっとこうであるか、誰かと巡り会えるかはわからない。

1人のままでも全く辛くないかもしれないなら私はニシノのようにならないし、誰かと巡り会えれば、ニシノのようにならないかといえば、そうも言い切れない。複数の人生の複数の場面をこの小説を読むと思う。
それはまるで平行世界のようだが、平行世界のどれかを人間は選ぶことは本当はできないのだ。

 

私はニシノに、深い裂け目のようなものを見る。私にも深い裂け目がないと言い切れない。深い裂け目からは人間への切望と、人間への拒否が同時にあらわれる。つまり、人の一番近くまで行けないような。
それはニシノが深い傷を負ってしまい、本気になることができないようになったからかもしれない。

 

私は女性ではないから女性側からうまく感想は書けないが、女性がニシノに決定的に興ざめしてしまうのはニシノのこの愛の不可能性に気づいてるからで、気づいて、どうにかできない深い困惑がニシノと女性の間にまるで宇宙が膨張し続けるように広がるのをどの女性も感じるのだ。

 

この裂け目はニシノが感じが良かろうが、女性がニシノに良いものを感じようが乗り越えることは難しい。
愛というものが、相手の不完全性こそに、尊いものを見、その尊いものを通して、自らの不完全性の受け入れがあるとして、ニシノにある裂け目は、不完全性ではなく、あまりに完全なものだ。

 

女性たちがニシノに抱く困惑と絶望をわかるとは言えないが、どこかで、女性はニシノが他人を受け入れられないことに気づいている。
それを知ってなお、ニシノとかかわるのは、非常に負荷が大きいだろうし、知らないでかかわることはできないのだ。

 

またニシノも、相手にそのような負荷を与えることをどこかで知るからこそ、ニシノは渇望を続けながら結局誰をも絡めとったりできない。
小説には小説ならではの極端さがあるものの、私はこの小説に深刻なものを感じざるを得なかった。

 

 

運命の7月。投開票までわずか。早わかり野党公約。与野党の争点は改憲と格差是正だ!

与党の批判はせず、野党や野党公約への悪口ばかり言う保守と、与党の悪口ばかりいって野党の公約を話さない反安倍と。

つまり野党の公約の良い点はあまり話題にならず、野党公約に関する保守や無党派層のデタラメな話が広がる。
デマ叩きする時間はない。
野党公約の周知が必要

 

 

TPPを、見ても与野党の対立は明らかで、争点がないとか野党が何もいってないなんか真っ赤な嘘です。

TPP、賛否真っ二つ=1人区中心に農業票競う-参院選【公約比較】:時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/article?k=2016062600070&g=pol @jijicomより

 

明快な争点。

東京新聞:LGBTで割れる与野党 自公「理解広める」 民共社生「差別解消」http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201606/CK2016062902000266.html
「同性カップルへの対応では、社民は同性婚の実現を公約に明記し、共産も全ての自治体で渋谷区のような条例や施策の実現を目指すとしたが、自民は慎重」

 

党首討論会要旨=参院選時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/article?k=2016062100760&g=pol @jijicomより

 

与野党の対立は明らかです。

憲法を改正するか否か。

格差是正するか、大企業主導で経済を動かすか。


<論点聞く>子ども政策 数値目標を | 河北新報
http://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/201606/20160628_71016.html
「(OECD)諸国は公的扶助を加えると母子家庭の貧困率が下がるのに、日本だけはわずかに上がる。日本は税の再配分機能がとても弱い」
野党が再分配格差是正を上げる理由ではないか。


参院選公約(要旨) 民進党
2016年6月21日5時0分

 

 

http://www.asahi.com/sp/articles/DA3S12418775.html


「安倍政権との対決姿勢を打ち出し、「格差是正」と「憲法」に焦点を当てた。
 経済では「アベノミクスは失敗」と断じ、低所得者や若者への分配に軸足を置いた。大企業と富裕層には「応分の税負担を求める」とし、高所得者所得税率引き上げなどを盛り込んだ。
 憲法の項目には、岡田克也代表の意向で「9条の改正反対」を明記。「平和主義」の立場を強調し、安全保障関連法を成立させた政権への批判を強める狙いだ。」


「安倍政権の暴走に断固対決する」共産党が公約発表 http://5.tvasahi.jp/000076658?a=news&b=np
「安全保障関連法の廃止と集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の撤回などを盛り込んでいます。また、消費税の引き上げについては「先送りではなく断念すべきだ」としています。消費税に代わる財源としては、約22兆円を大企業に対する優遇税制の見直しや富裕層への課税強化などで捻出するとしています。」

参院選社民党が公約発表「アベ政治の暴走を止める」 - 毎日新聞 http://mainichi.jp/senkyo/articles/20160615/k00/00m/010/032000c
川内原発の即時停止を強調。富裕層や大企業への課税強化による財源確保や医療分野での消費税率ゼロ、給付型奨学金の創設など社会保障の充実」

子ども手当復活=生活公約【16参院選】:時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/article?k=2016061700807&g=pol @jijicomより
「月額2万6000円の子ども手当の実現や年金一元化など、旧民主党が2009年衆院選マニフェスト政権公約)で訴えた目玉政策を提示」

 

 

8000bq以下汚染土を全国公共事業で活用方針の暴挙。実は100bqまで下がるのに最大170年(毎日新聞より)

 


福島第一原発事故で、放射能汚染された廃棄物(除染した土壌残渣)を8000bq/kg以下なら再利用して、道路の地下構造材、建造物の地下構造材や防波堤の内部盛り土として活用する案が出され、政府方針とされることが問題となってます。

地上波テレビではテレ朝羽鳥慎一のモーニングショーのそもそも総研でも、まず、事故前の基準100bqがなぜか事故後に80倍に緩和されさらに、再利用までできるとは二重基準ではないかと指摘がありました。

<汚染土>「管理に170年」…安全判断先送り、再利用方針(毎日新聞) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160627-00000005-mai-soci

「除染で出た汚染土を巡り、環境省の検討会が再利用の方針を決めた際、法定の安全基準まで放射能濃度が減るのに170年かかるとの試算を非公開会合で示されながら、長期管理の可否判断を先送りしていたことが分かった。環境省は汚染土を道路の盛り土などに再利用し、コンクリートで覆うことなどで放射線を遮蔽(しゃへい)するとしているが、非公開会合では盛り土の耐用年数を70年と提示。道路の供用終了後も100年間の管理が必要で、専門家は「隔離もせずに計170年もの管理をできるはずがない」と厳しく批判している。」


この毎日新聞の日野記者の記事ではこの8000bq基準を作った非公開会合が「放射線影響安全評価検討ワーキンググループ」
という災害がれき処理にもお墨付きを与えた会合です。彼らが再び再利用についてもお墨付きを与えたのです。


「原子炉等規制法は原発解体で生じる金属などの「安全に再利用できる基準」(クリアランスレベル)を放射性セシウム1キロ当たり100ベクレル以下と定める一方、事故後成立した放射性物質汚染対処特別措置法は8000ベクレル超を指定廃棄物とし、同ベクレル以下を「問題なく廃棄処理できる基準」と規定。WGはこの8000ベクレルを汚染土再利用の上限値とするための「理論武装」(WG委員長の佐藤努北海道大教授)の場となった。」

またテレ朝羽鳥慎一のモーニングショーのそもそも総研では、災害などで防波堤が破壊されたり、劣化したりで放射能が漏れ出すリスクが指摘されました。
しかし今回の記事では長期管理に170年もかかり、万一その前に掘り起こされたら危険という話まで出て長期管理指針は先送りされました。
つまり、いつまで管理出来るかなんてわからないまま8000bq基準を通したわけです。とんでもない。

「1月27日の第2回WG会合で、委員から「問題は(道路などの)供用後。自由に掘り返していいとなると(再利用の上限は)厳しい値になる」との指摘が出た。JAEAの担当者は「例えば5000ベクレル(の汚染土)を再利用すれば100ベクレルまで減衰するのに170年。盛り土の耐用年数は70年という指標があり、供用中と供用後で170年管理することになる」との試算を提示」


その無責任さに災害がれき問題でも精力的に発言された熊本教授が批判コメントを出しています。

「熊本一規・明治学院大教授(環境政策)の話

 汚染管理は、一般人を立ち入らせないことや汚染物が埋まっていることを知らせるなどの要件を満たすことが必要だ。道路など公共物に使いながら170年間も管理するのはあまりに非現実的。70年の耐用年数とも矛盾する。このような措置は管理に当たらないし、責任を取らないと言っているに等しい。実態としては捨てているだけだ。」

全国で、デタラメな、放射能汚染土壌の公共事業再利用という名の体の良い汚染土壌埋め立てを、環境省は福島の中間貯蔵施設への痛みを少なくするためとそもそも総研でも説明していましたが、福島の中間貯蔵施設の容量が足りないわけでもなく、また、ちゃんと処分するわけでもない、そんなことに福島の名前を使うことは、感心しません。

私たちが福島第一原発事故の被害を深刻に受け止めることと、野放図に全国の公共事業に使い、痛み分けだとするのはまるで違うと思います。二次的三次的被害をもたらす恐れがあるだけではなく、日本の社会の放射能汚染管理が、事故が起きたからとズルズルと緩められてしまうのは、非常にモラルハザードであり、仕方ないで済まされる問題ではありません。


これは除染したものです。
除染してまたバラまく。除染した意味さえわかりません。
実は指定廃棄物は8000bqを下回れば、指定解除し、普通の廃棄物と変わらない処理をできるとしたのも環境省で、いま再測定がスタートしています。
これなんかもやはり除染した意味を掘り崩す話です。
本当は最終処分場が決まってないまま、避難区域解除が始まり、早く除染ゴミをなくしたいだけなんではないでしょうか?

今回170年経たないと100bqまで減衰しない試算値を国が出したということは、それだけ原発事故の被害が続くということ。

つまり被害者は本当はそれだけの取り返しがつかない被害を受けたということです。
それを全国にバラまくのは被害をうやむやにすることです。


むろん、汚染廃棄物の原発事故被害地域での長期管理や、被害者の国や東電からの被害、生活保障が先であり、廃棄物の再利用、全国への使用は現時点の事実を見る限り賛成しようがありません。



【詩作品】懸け橋でありますようにと

僕は汚染されているのであろう

 

感情から僕を守ることができない

絶えざる現在の侵入から僕を守ることができない

気まぐれな過去が襲ってくる

どうしたら僕はそこから逃げられるだろう

 

このはるばるとした草むらは何か

この山はどこまで大きく

いつ消えてしまうのか

 

緑が揺れる時その風は死をも運んでいる

風は命と死を運ぶ

風は意味のない、しかし意志のようだ

意志とは方向性そのものである

風こそが右とか左を決めているのではないか

僕らには右とか左とかを決める権利がないのです

 

もはや風の帝国ではないか、この世は

 

僕は歩きながらこの光と風に揺らめいている

僕の境界線はあいまいだが

この世界は境界線だけが命である

つまり僕は他人にとってリスクであり

暴力であり

僕は他人や異なる時間の侵入を避けることができない

 

僕が他人の言葉を聴くとき

その言葉が僕の皮膚を刺す

僕は裸で冬空にいるように鳥肌で

全身がしびれている

あなたの言葉が苦痛とともに僕を突き抜ける

僕は絶叫して

あなたやあなた方をはねのける

この部屋は電流が流れる

僕の頭はしびれてしまう

 

愛されても愛されなくても

僕はもう見えなくなる

あなたを傷つけたか

どんな幸せを感じたか

もはやすでに見えない

 

電流と風によって

僕はあなたの姿を見失う

明日はわからない 今日が通り過ぎてはいかない

明日がとても遠く感じる

誰にも会えないと思う

暗闇の彼方に、見失ってしまう

確かなものが何もない世界で

僕は文字をディスプレイに打ち込んでいる

 

この文字に僕の確かさが宿りますように

この文字が明日のあなたとの

みんなとの懸け橋でありますようにと

 

風の帝国で

文字は日ごとに薄れていく

僕は失われる

あなたも彼らも誰もが歴史から消えていくのです

そんな大げさな

僕らは失われる

誰も失いたくないと願っている

 

このうちつける文字が

懸け橋でありますようにと